14話 ページ15
大人の猫になりたい。
それは嘘じゃない。
でも、私はやっぱりご主人の隣にいなきゃいけないの。
「本当にいいのかい。条件だってあるのよ。」
それがなんだっていうの。
ご主人の隣にいることが私の価値。
「そう、じゃあ。目を瞑って10秒たったら開けて。」
少しだけ呆れたように笑うお婆さん。
私は目を閉じて10秒数える。
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ゆっくりと瞼を開ける。
わくわくで胸がいっぱい。
「あらあら美人さんね。」
お婆さんは私に微笑みかけ、鏡を私の前に出した。
白いワンピースにご主人と同じ碧の瞳。
まるで、自分じゃないような気がしてたまらない。
「嬉しい、ありがとうございます。」
初めて喋った不恰好な言葉。
何も着飾らないくらいが私には丁度いい。
「いいのよ。でもね、さっき条件があるって言ったでしょ。」
「はい。」
忘れていた。
お婆さんの言葉に心拍数が跳ね上がる。
「実はね、貴方が誰かにこの魔法のことを言ったり、猫だったって言うとこの世から消えちゃうの。」
「え、じゃあ私はどうやってご主人と会うんですか。」
「さあね。でも下手に会いに行っても怪しまれるだけなんじゃない。
こんな森の中にいるなんてそうとうなもの好きよ。」
「そ、そんな。」
「さっさと諦めなさいよ。ロンドンくらいまでなら馬車で送るわよ。」
頭を抱え、唸り声を出す。
ご主人に会いに行くために人間になったというのにこれじゃ意味がないじゃないか。
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熊ゴロ〜@ボスラッシュ(プロフ) - wacchannさん» コメントありがとうございます( ̄(工) ̄)応援しますだなんてめっちゃ可愛いですね。ガチで照れますw (2015年9月30日 16時) (レス) id: 83051e0599 (このIDを非表示/違反報告)
wacchann(プロフ) - 展開、とても気になります!更新頑張ってください。応援しますっ (2015年9月30日 15時) (レス) id: 88e3f68056 (このIDを非表示/違反報告)
熊ゴロ〜@ボスラッシュ(プロフ) - ハナさん» コメントありがとうございます( ̄(工) ̄)更新死ぬきで頑張りますのでよろしくお願いします! (2015年9月27日 21時) (レス) id: 83051e0599 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - イギ可愛い(*´ω`*)面白いです!更新頑張ってください!(言ω言*) (2015年9月27日 21時) (レス) id: bd9f78e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:熊ゴロ〜 | 作成日時:2015年9月27日 15時