ヒトも歩けば霊にあたる5 ページ5
「つ、つかれたー！」
「腹減った…ピザ食いてぇ」
事務所に入ってくるなりそう叫んだのは、おついち先生と同じようにダークスーツに身を包んだ2人組だった。
「おかえり実働担当。その様子じゃ、上手くいったみたいだね」
「もー！めっちゃ怖かった！二度と行きたくないあんなとこ！」
「仕方ないだろ、お前の腕でしか殴れないんだから」
「うわーっ！！こんな力望んで他に入れたわけじゃないのにー！」
「あのぅ…」
とりあえず洗っていた食器を片付け終わったわたしは、キッチンから顔を覗かせた。
おついち先生が、手招きをしている。
「はい、注目。この子、お客さん。メロやんの兄弟だってさ」
「えっ！この子が？！わー、ちっちゃくて可愛いなぁ！名前なんてーの？いくつ？」
「弟者、そんなに急に聞いても答えられるわけないだろ…悪いな、仕事終わったばっかで癒し求めてんだコイツ」
実働担当さん、もとい赤髪の人は弟者さんというらしい。高い身長とがっしりした体つきに似合わない優しい声色に、ちょっとびっくり。
そしてその隣で呆れたようにサングラスを持ち上げているのが、多分兄者さん。
「初めまして。メロ兄さんがいつもお世話になってます。…えっと、依頼の話は先生にはもうしたんですけど」
「Aちゃん、立ち話もなんだし、あっちで話そ？」
先生がくんっ、とわたしの袖を引いた。
細くて白い指先が、パーカーの袖口に絡まる。
「おっつんかなり気に入ってるみたいだね」
「んー、まあね。君たちみたいなもんだよこの子もさ」
遠回しに手のかかる子どもだと言われてしまった。
うん、いやたしかにその通りなんですけど。
「さて、それじゃざっと依頼の内容を話すね。Aちゃん、間違ってるとことか付け加えたいところがあったらすぐ言って」
机を挟んで反対には兄者さんとおついち先生。
そしてその後ではソファの背もたれにお尻を乗っけて、興味津々と言った様子でこちらを見つめている弟者さん。
真面目な雰囲気になってきたので、わたしも姿勢をただしてはい、と返事をした。
「まず、この子はメロやんの幼馴染。で、例の名刺を持ってきてくれたから依頼を受けることにした。ここまでは、異論ないよね？」
その問いかけはわたしではなくおついち先生の後ろの2人に対してのものらしい。
対する2人は黙って頷いた。
「ＯＫ。話を進めよう。事の発端は…｣
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
萩乃 - とってもおもしろかったです！続きが気になりますね！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2019年11月10日 14時) (
レス) id: 1860965fa3 (このIDを非表示/違反報告)
雪丸205(プロフ) - とっても面白かったです！2broだとマフィアや極道ものなどよく見ますが、vs.幽霊は斬新で続きが気になります(* ´ ▽ ` *) (2018年9月10日 17時) (レス) id: ce4c87fa35 (このIDを非表示/違反報告)
鑪ﾁｬｺ(プロフ) - 遠いアフリカの国〜、の表現がこの上なく好きです。参考にさせて頂きますm(_ _)m (2018年8月4日 3時) (レス) id: 10fcfc8c85 (このIDを非表示/違反報告)
工藤蛆虫(プロフ) - しーたけさん» ありがとうございます！！嬉しくなってしまったので更新頑張りますね！ (2018年7月29日 0時) (レス) id: 3cc527ceec (このIDを非表示/違反報告)
しーたけ - 素晴らしい！めっちゃくちゃ面白くて見入っちゃいました！頑張ってください！！ (2018年7月28日 9時) (レス) id: 02fc5e93ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：工藤蛆虫 | 作成日時：2018年7月20日 16時
