小さかった天使たちが大人になって口説きにきた (ページ11)

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12歳！ページ11

「お姉さん..？」

そう呟きかけた彼の、顔を見てハッとする

今も面影が残る外見にもしかしたら、と思いつつ

「いらっしゃいませ、お席はカウンターでよろしいですか？」

『お願いします。』

逃さないぞ、と言わんばかりの視線を向けたあと
生憎他のお客さんがいないためか私の方へ歩いてきてそっと抱きしめてくる

「お姉さん、ですよね..？」

『..久しぶり、れいくん大きくなったねぇ..』

そう言って頭を撫でてあげると、さらに抱き締める力が増して腕が折れそうになる

それを耐えながら、れいくんが満足するまで待っていると、腕がプルプルしていたのにバレたのかれいくんは慌てて手を離すと、少し笑いながらこちらに視線を向けた

「本当にお姉さんなんですか..？」

『そうだよ。』

「急にいなくなってすみません..でも、一回も、忘れたことなんてなかった..」

私の存在を確かめるかの様に、手を握る姿は幼い頃と重なるものがある。

「ひろも、マツダも萩原もみんな、みんなお姉さんに会いたがっていたんだ、」

『みんなも大きくなっているのかなぁ...』

そう言いながら想像をしてみるがいまいちイメージが湧かない

けれど、きっと、みんなかっこよくなって、可愛い彼女さんがいて

自慢の家族なんです、って自慢できる様にしなきゃ

回想に浸っていると、れいくんにぎゅっと頬っぺたを掴まれ、れいくんの方を向かさせられる

「俺、大きくなったんだ、これで俺のことも男として見てくれるよな？」

余裕なんてあげないから。

そう言ったれいくんの笑顔は清々しいほどに怖かった..