お父さんに何を言われても

___49 ページ49

亜嵐side





輝「でも、色んなとこ探したのに

お母さんいなかった…」





「亜輝…」




よく見ると、転んだ様な傷が

沢山できていた




輝「お母さんに、謝れば

お母さん許してくれる？

許してくれたら、また帰ってくよね？」





輝「俺の事嫌いで

会いに来てくれないんだよね？

怒ってるよね…？」






「亜輝、お母さんに会いたかった？」




輝「うん…」




「お母さんに、ちゃんと

謝りたかったよな？」




輝「うん…」




「苦しかったな？辛かったな…

傷、痛かったろ？沢山走って探したの？

疲れたでしょ？水、冷たかったね」




輝「うん…ｸﾞｽｯ」





「亜輝、お父さんの言う事

しっかり聞いてね？」





輝「うん」




「お母さんは、死んじゃったんだ

死んじゃったら、もう会えないの

海の奥に行っても、会えない

どこにもいない…空いるから

空からずっと見守ってくれてる…

だけど、飛行機に乗って空に行っても

会えない。もう絶対に会えない

でも、亜夢もお父さんも

お母さんが居なくて、寂しいけど

それよりも、家族や仲間といれて

楽しくて、嬉しくて、幸せなんだよ

2人が楽しく元気に生きててくれたら

何でも良い！嬉しいんだよ！

お母さんも、病気で長く生きれないから

代わりに、亜輝に沢山生きて

楽しんで欲しいから産んでくれたんだよ

亜輝も、お母さんに会えなくて

寂しいかもしれないけど、お母さんも

亜輝が大きくなった姿を見れなくて

きっと、寂しいと思う」






輝「でも…お母さん、怒ってるよ？」




「亜輝は、お母さんに

会った事ないでしょ？

俺は、亜輝よりもお母さんと

沢山一緒にいたから、お母さんの事

何だってわかるんだ

お母さんは、怒ってない

亜輝が、元気に成長してて喜んでる！

だから、亜輝は誰にも謝らなくて良い！

お母さんに、産んでくれてありがとうって

お父さんにも、亜夢にも

お父さんやお兄ちゃんになってくれて

ありがとうって伝えれば良いんだよ

亜輝は、悪くない。亜輝は何も悪くない

頑張らなくても、無理しなくても

亜輝はちゃんと良い子だよ」






輝「ｸﾞｽｯ…おと、さん…

ありがとうｸﾞｽﾝ

お母さんの分まで、ちゃんと生きる

アーティストになって

お母さんに届ける！喜んでもらう！

でも、お母さんに会いたかった(泣)」






「そうだな…頑張ろうな

好きなだけ泣いて良いよ」





輝「ｸﾞｽｯ…うぇーん(泣)」

___50→←___48

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す