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｢んで、なんのために海賊なんか狩ってんだよ。｣
Aもゾロもお酒が好きという趣味が一致したので
二人がたどり着いたのは酒場。
カウンター席でつまみながら飲んでいた。
『……そんなに聞きたい？』
｢まぁ、気にはなるだろ。｣
『……笑わない？』
｢……内容による。｣
『さいてー、じゃあ言わない』
｢……まぁ、吐き出してみろよ。
さっきの俺の質問、濁したろお前。
海賊狩り、金のためだけじゃないんだろ｣
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『消えてほしい奴がいるの。』
｢………｣
『一人だった私を、一人じゃ生きていけない私を、
救ってくれた恩人、島、全部消された。』
｢一人だったって、お前親は？｣
『もうこの世にはいない。
私、戦争孤児だったの。
私が生まれた島は、戦争でなくなった。
戦争がはじまってから、
私は両親に小舟に乗せられて海をさまよってた。三歳のころね。
そんで、お腹がすいて舟で倒れてるのを偶然別の島の人が見つけてくれて、その人が命の恩人ってわけ。』
｢戦争ってお前、エクラ島の生き残りか？｣
『そ！すごいでしょ！』
｢まじかよ……まぁ、それはいい。
で、そのお前の育った島の名前は？｣
『クレー島よ。知ってる？』
｢！？……あぁ、知ってる。お前まさか、｣
『まぁ、この事件は有名だから知ってるわよね。
そう、クレー島の民衆を殺しまくったあいつら。
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クイルズ海賊団。
私は、あいつらを殺すために、
本物の海賊で練習してるの。
最近のクイルズ海賊団は音沙汰ないから、
どこにいるかもわからない。
島一個無くしちゃうくらいだもん。
いくら憎い相手でも実力は本物。少しでも強くなっておかないと。
あいつらに殺されて良い命なんてある訳ない。
私が、あいつらを終わらせないといけない。』
｢……｣
『……ははっ、笑っちゃうでしょ？
勝手に正義背負っちゃってさ。』
｢誰が笑うかよ。立派じゃねぇか。｣
『……ありがと、』
｢……おい、泣いてんのか｣
『泣いてない』
｢どこがだよ、泣いてるじゃねぇか
お前ならやれるさ。さっき知り合った俺が言うのもなんだけどよ。｣
『……マリモさん、優しい』
｢ゾロな｣
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作者名：ろんぐ | 作成日時：2023年1月7日 3時
