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？
「…………」
「…？」
固まったその人の目がキョロキョロと動いて
目があったかと思えば
大きな咳払いが数度繰り返された
？
「………ッ…三つ目、三つ目や…
………三つ、め………ぅ、あ……」
真っ赤になったその人は、ぐるぐると目を回す様にいろんな方向を向いて
きゅっと口を閉ざしてしまった
「あの…」
？
「ひゃい！？」
さっきの圧は何処へ
頼りないぐらいヘニャヘニャと向こう側へ倒れ込むその人は、暫くして起き上がって此方へ戻ってきた
…に留まらず
私の片手を両手で握った
？
「…三つ目や、話の最中や…すまんかったな」
にぎにぎされている片手については何も言わない方が良いんだろうか
気持ち悪いぐらい、指の隙間に指を絡めてみては…
すりすりと撫で始めるその手は
まるで指紋の一つ一つすら把握しようとしてるみたいで恐ろしく、気持ち悪かった
？
「三つ目の話は…逃げ道や」
「逃げ道…？」
？
「と言っても、アヤにとっては逃げ道やないかもしれんけど…」
そろりと目線が泳いで…また此方を見た
先ほどヘラヘラと笑っていた彼の表情はなくて…
とても真剣なのだと伝わってくる
？
「こっち側の人間になるか？」
「……裏、ってことですか…」
？
「せや、裏社会…汚濁塗れた死の隣にある世界や
此方側になるなら能力は得意分野見つけて上がればええ
此方側に自らなったなら、悪いことしてないのに怯えるなんて理由やなくなるし、それならではの生存戦略を持つことができる
同時に、そうなった時はコネシマには殺される覚悟やないとあかんけどな
アイツは規律には比較的煩い方やから
例えお前でもその世界に入れば甘えることは許されない
それに、もっと実力行使が始まるやろな
慈悲は与えられんくなる
リスクの高い逃げ道や
あのコネシマに好きでもないとか言い放つお前はグルッペンが大層お気に召してたから
入ること自体は簡単やと思うけど」
なるほど…
それが三つ目…
まだ手を握って楽しそうに手を動かすその人はさておき…
酷い話だ
「普通に生きてた筈なんですけどね…」
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