お互いが、お互いへ。�� ページ22
「失礼します。」と無一郎が入ってきた。
産「よく来たね、無一郎。」
元々お館様がいたことに無一郎は少々慌てて頭を下げた。
産「あぁ、気にしないでくれ。無一郎の前にも
来客がいてね、そのままいただけなん
だ。」
無一郎は挨拶をし、「ありがとう、無一郎。」
と輝哉が言う。
産「まず、あの日Aへ、と預かっていた
手紙をAに渡したよ。」
言われた3秒後に無一郎の顔は ぶわっ と桜色に染まった。
無「...えっ、あれは遺書のつもりだったので
すが...。」
ーそう、Aが誰からか分からず『？』になりながらもらったあの手紙は、無一郎がAのためにかいたものだったのだ。
輝哉は笑顔で
産「あぁ、『辛くなった時に』と釘をさしてお
いたよ。それに無一郎とAの場合は
亡くなってしまった後だとだめなんだ。」
無「...え？」
無一郎は桜色の頬のまま混乱していた。
輝哉は穏やかに笑いながら
産「あの時と気持ちは変わらないかい？」
無「もちろんです。ますます強くなって苦しい
です。」
輝哉は少し羨望なまなざしを向けながら笑顔で告げた。
産「無一郎とAはね、お互い同じことを
していたんだよ。」
無「...え？」
輝哉は無一郎の前に出したのは
Aの遺書だった。
無一郎はその遺書から目を離さず、固まっている。
産「無一郎、Aも無一郎と同じように
『どうか無一郎へ』とAが私にお願い
していたんだ。」
無「...え、...え、...え！？」
産「もちろん無一郎も辛くなった時に見るんだ
よ。Aには渡したが無一郎の手紙と
は言っていないし、無一郎に渡したその手
紙もAには無一郎へ渡したと報告し
ていないので気をつけるように。」
無「...ぎょ、御意。」
／／／／／／／／／／／
無一郎が退室したあと、輝哉はAが
『どうか彼へ。』と言っていたあの日を思い出して、 ふっ と笑った。
受け取った時、表情には出さなかったものの、
内心すごく驚いていた。
産「...A。きっと無一郎なら受けとめ
てくれるはずだよ。」
その日の夕日は、それは強く輝いていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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ゆりと白鳥(プロフ) - 澪凪さん、コメントありがとうございます！すごくすごく嬉しいです！できるだけはやく更新頑張ります！どうかこの作品をこれからもよろしくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (
レス) id: ba1b5c2a6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - るあさん、コメントありがとうございます！続きが気になるってお言葉はものすごく嬉しいです！これからもどうかこの作品をよろしくお願いします！ (2021年3月28日 17時) (レス) id: ba1b5c2a6b (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - いつもドキドキしながら読ませてもらってます！すごい上手ですね！更新楽しみにしています。 (2021年3月28日 12時) (レス) id: a0ad16ec48 (このIDを非表示/違反報告)
るあ - 続きが気になるぅぅ！！！ (2021年3月26日 21時) (レス) id: 58ab197994 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - ほのさん、コメントありがとうございます！まだまだ未熟な所が多いですがこの作品をこれからもどうかよろしくお願いします！ (2021年3月26日 9時) (レス) id: ba1b5c2a6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりと白鳥 | 作成日時：2021年3月16日 11時
