白い薔薇の花言葉

〇気づいてくださいよ ページ6

〇学園パロ
〇付き合ってないです
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ー R e n . N ー


「廉、俺先帰るからさ、帰るときここの鍵閉めてもらってもいい？」


日が沈みかけたこの夕暮れ時、

そう言って自分の鞄を持ちそそくさと帰ろうとするんは、平野紫耀センパイ。


密かに俺が想いを寄せている先輩でもある。


本当はもっと一緒におりたかったけど、しゃあない。

同じ委員会と言うだけでも奇跡だ。


「……またバイトっすか？」


「うん、店長に人足りないからって頼まれちゃって。」


「頑張ってください。」


頼まれごとを断らない優しい先輩。

けどそのせいか、最近ずっとシフトが入っとる。


聞くところによると、最近は平野先輩に会いたいがために店に来る女性客が急増してるとか。

わからんくもない。

だってあのルックスに、がっしりとした男らしい体格で、面食い女子でなくても食いつかんわけが無い。


あんなイケメンが店におるんや。もっと間近で見たいと思うのが普通やろ。


おれもそうやって自分に素直になれたらええんやけどなあ。


「鍵閉めとくんで、はよ帰ってええですよ。」

また素直になれん。

そのくせ言い方強なってもうた。
全く可愛げ無い後輩やな、とつくづく嫌になる。


けど先輩はそんなこと気にしてへん様子で、


「ほんと！？ありがとう！じゃ、お先ー」



って言って帰ってしまう。


静まり返ってしまったこの空間は今の俺にはめちゃくちゃにキツくて、

平野先輩がいなくなるだけでこんなにも心は寂しくなるんか。

と、嫌でも実感させられてまう。



「……はぁ、」


虚しいため息だけがここの空気を震わせた。



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