顔を隠した素顔とは＿＿【宮近海斗】 (ページ32)

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呼び出しページ32

「じゃあ行ってくるね～」

宮近「ん。気を付けろよー」

今日は家から呼び出しがあったということで、

海斗を置いて、実家に戻る。

といっても、この間隣の海斗の家に行ったばかりだけど、

いつも家にいない両親には挨拶ができなかった。

今日は海斗は1人でスクールの仕事があるらしい。

”ガチャ”

「ただいま。」

一条母「おかえりなさい、A。」

「…パパは？」

一条母「いるわよ、だから今日にしたんじゃない。

待ってるから、ほら早く。」

…パパがいたところでなんにも変わらないけど。

今日はなにを言われるんだろう。

一条父「…久しぶりだな。」

「お正月の挨拶振りだね、パパ。」

一条母「A。単刀直入に言うわ。

いつまで海斗くんとお付き合いしているの？」

「…え、？」

一条母「え、じゃないわよ。

あなた、もう２５になる歳なのよ？

そろそろ別れてもいい頃じゃない？」

「っ、どういう、こと、」

一条母「まさかA、本気で海斗くんのこと好きなの？」

「っ、当たり前、じゃないと一緒に住んでない、」

一条母「というかダンスの先生？

いい加減にやめなさい。

ほら、パパも何とか言って。」

一条父「………。」

一条母「全く、いつもこういう時は頼りないんだから。

とりあえず、この方とのお見合い、用意しておいたから。」

お見、合い、？

なにそれ、意味わかんない、

机の上にお見合い用の宣材写真と思われるものが置かれる。

「っ、いらない、行かないから。」

一条母「今まで自由にさせてきたのはなんのためだと思ってるの。」

…自由？

私にそんなもの…海斗と同棲するまでなかった。

「いい加減な事言わないで。」

一条母「なにを言ってるの、私はAのことを想って、」

「知らない、そんなの行かないし興味もないから、！」

”ガタッ”

一条母「A！！」

リビングから飛び出して、靴をはいて家を飛び出す。

一条母「A！！

はやく海斗くんと別れなさい！

お見合いだって進めるからね！！」

玄関で大声を出すママを背に、門を開けて走って逃げる。