顔を隠した素顔とは＿＿【宮近海斗】 (ページ20)

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代理講師ページ20

生徒「A先生！」

「んー？？どうしたの(笑)」

蝉の泣き声が響くとある学校の部室。

もともとここの担当の先生が産休に入られたということで、

後輩であり、同じスクールの講師をしている私が

急遽、代理でくることに。

生徒「最初の４エイトのフリーの振り付け考えてきたんですけど、

見てもらってもいいですか。」

「うん、もちろん！

鏡の前行ってくれる？」

この学校は中高一貫らしく、中学生から高校生まで生徒がいる。

振りをいれたのは先生が産休に入られてすぐの4月で、

6月の文化祭を終えて今は夏休み期間。

8月の終わりにある大会に向けて、毎日練習しているらしい。

「おけ！

大分うまくなったね、動きにメリハリができてきた。

んーでももうちょっと大きくしてもいいかも。

例えばココ、こういう振りにするんだったら……」

高校生は積極的にコミュニケーションをとってくれて、

自らここはこう、って話にきてくれる。

文化祭で高3が引退したこともあり、なかなかに大変だった。

先輩、よくこんな大変なことやってたな…

私はスクールのキッズダンスで十分かも…(苦笑)

生徒「ありがとうございます！！」

「いーえー！

またみんないつでも見せにくるなり聞いてね～」

鏡の前で踊ってると、すぐに視線が私に集まる。

流石高校生というべきか、意欲的で、すごく助かっている。

「…かいと～～～」

宮近「ふはっ、お疲れ様(笑)

もうちょっと先生らしくしねえのかよ(笑)」

「あっつい、あつい、私達よくあんな暑いとこで勉強してたよね」

宮近「いや、俺ら学校ちげえから(笑)」

「…あれ。

同じ学校かと錯覚してたわ今。」

宮近「はいはい、ほらシートベルト締めて、

Aの好きなパスタ食べに行こ。」

「いくー！！」

わざわざ学校まで迎えに来てくれた海斗と共に、

晩御飯を求めておいしいパスタ屋さんへ。