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宮近「じゃあ、お兄ちゃん行くね。」
「……うん…。」
どこか不安げな顔を向け、撮影所に向かっていくAの背中を見送ってから、
近くの兄貴たちが待つ店に向かう。
宮近「ごめん、お待たせ。
A送ってたらちょっと時間かかった。」
宮近兄1「いや、大丈夫。
それより、海斗、話って。」
最近、全く会えてなかった。
というか、避けてた。
Aを守ることができなくて、
入院したり、危ない目に合わせたり…。
俺がAを守るって言ったのに、有言実行できてなくて、
合わせる顔がなかった。
宮近「あのさ。
Aが知って傷つくようなことって、なに。」
宮近兄2「っ、え、？」
宮近兄1「海斗、お前それどこで聞いた、」
宮近「昨日Aと実家帰って、ドア開けようと思ったら
そんな話を父さんと母さんが話してて。
慌ててAに聞かせないように家から帰ったよ。
どういう話か説明してくんない？
どうせ二人は知ってるんでしょ？」
宮近兄1「いや、でも…。」
宮近兄2「Aには、絶対いわねえか？」
宮近「話による。
でも、傷つけるようなことは、絶対にしない。
宮近兄1「……あのな。
Aと、俺たちは、直接血がつながった兄妹じゃない。」
……は、？
意味わかんねえ、小さいころからずっと一緒に、
宮近兄1「海斗は小さかったし、覚えてないと思うんだけど、」
宮近「いやいやちゃんと覚えてるし。
俺の記憶にはちゃんと母さんが妊娠してる姿覚えてるし。」
宮近兄2「……それは、母さんの妹だ。」
母さんの、妹…？
宮近「母さんの妹って、あのユリさん？」
宮近兄2「…そう。
お前の記憶にある、妊婦はユリさんだ。」
宮近「いや、おかしいだろ、
ユリさんはAが生まれる前になくなったはず、」
っ、あれ、？
ユリさんの葬式に母さんが…
宮近兄1「海斗は小さかったから、覚えてなくても仕方ない。
Aは、ユリさんの娘なんだ…。」
宮近「そ、そんな、わけ、」
宮近兄2「俺ら、ユリさんと約束したんだよ。」
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作者名：不思議の国の姫乃 | 作成日時：2020年12月26日 14時
