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結局照明やセットが落ちた理由はただのミスということで
演劇部の舞台は幕引きとなった。
なんだか、すごくもったいないような、
頑張ったのに…と消化不良な部分がある。
如月父「、、お嬢様、」
「っ、なあに、」
如月父「何度もお呼びしたのですが、お返事がなかったので
入らせていただきました。」
「ごめんなさい、ぼーっとしてて。何の用?」
如月父「御父上から本日の課題をお渡しするように
言われたので参りましたが…
本日はやめておきましょうか。」
「大丈夫よ、ちょうだい。」
如月父「今日は、普通に学園生活をお送りください。
御父上からも、無理はさせないようにと
重々申し付けられておりますので。」
っ、お父様が、?
「冗談もほどほどにね。
まあ、せっかくだし今日はゆっくりしてくるわ。」
かけていたミルキーホワイトのブレザーを着て
自分の書斎を出る。
玄関のロータリーにはすでに車が準備してあって、
近づけばドアを開けてくれる運転手。
車に乗り込めば鞄を受け取り車が出発する。
今日はいつもの課題がないからか、
鞄が軽く感じた。心も、少し軽いからかな?
「いってきます。」
いつものように門をくぐり、いつものように人に囲まれながら、
いつものように教室へ歩く。
珍しく誰とも会わなくて、なんだか少し寂しい気持ちになったのは、
多分気のせいだろう。
担任「あ、神崎ちゃんじゃん。」
「あ、おはよ。
みんな、まだなんだね。」
担任「え?もう学校来てるぞ、俺朝見たもん。
………あっ。」
「??なに、なんか行事ごとでもあったっけ?」
虎蛇祭が終わったばかりだから、ないと思ってたけど。
担任「んーあーうん、大丈夫。
多分、みんな仲良くトイレ行ってんだと思う。」
中村「誰がだよ(笑)」
七五三掛「誰もトイレに籠ってねーっつの。」
「あ、おはよう。」
珍しくりゅうくんの前髪がなくて、
全部左右に分かれてしまっている。
「珍しいね、前髪わかれてるの。」
近づき、前髪を整えてあげると、ふい、っと顔をそらされてしまう。
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作者名:不思議の国の姫乃 | 作成日時:2021年3月5日 22時