romance 65 ページ16
「勇太、シゲくんと会ったの?」
きゅうりの浅漬けをポリポリかじりながら、こくんとうなずく。
「この間あちらの会社に打ち合わせに行ったら、たまたま会ってさ。昼飯一緒に食ったよ」
「えー!聞いてない!」
「そうだっけ?えーっと、一昨日かな。っていうか、俺らも会ってなかったじゃん」
ケラケラと笑う勇太を思わず睨む。
「そうだけど、教えてくれてもいいじゃない」
「あはは!忘れてたわ!ごめんごめん」
「その、シゲくん、何か言ってた?」
笑いをおさめた勇太がふわりと優しく目を細める。
「会う時間が取れなくて悪いことしてるって、寂しくさせて、このままじゃ逃げられちゃうんじゃないかって、心配してたよ」
シゲくん・・・
胸がぎゅっと苦しくなる。
「Aは『待て』ができるイイコだから大丈夫って、ちゃんとフォローしといたから!」
「え、待てって何よ。犬か!」
やっぱりはぐらかされて、シリアスになりきれないまま、勇太は隣の部屋へと帰っていった。
寂しく、か・・・
ごろんとベッドに寝転がり、スマホのアルバムをスクロールする。
シゲくんが、自宅でフレンチのコース料理でもてなしてくれた写真。作ってみたかったんだって、凝り性のシゲくんはちゃんとテーブルクロスやお花まで用意して、デザートまでのフルコースをやってくれたんだった・・・
旅行に行ったのはお正月。そのあとの写真はもう季節が変わっている。
楽しかったのにな。
会えないって、残酷だ。
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レジーナ(プロフ) - 涼杜兄妹さん» ありがとうございます(*´ω`*)アチラもお楽しみいただければ幸いです! (2020年6月14日 13時) (レス) id: f10a3ced08 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - レジーナさん、いつも楽しく小説を読ませていただいてます!終わっちゃってさみしいって思ってるくらいほんとこのお話すきでした!2人の今後が気になってしまいます!夜のお話楽しみにお待ちしております♪ (2020年6月14日 13時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
レジーナ(プロフ) - ぴぴさん» オトナのための欲求不満解消小話です!(≧∇≦) (2020年6月14日 12時) (レス) id: f10a3ced08 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴ - 夜のおなじみのやつってなんですか…? (2020年6月14日 11時) (レス) id: c6b90d1663 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レジーナ | 作成日時:2020年6月1日 12時