romance 36 ページ37
タブレットから顔を上げて、フフッと目を細めてる。
「勇太は何してるの?持ち帰りの仕事?」
「ちがうよ。ちょっとこれ見て」
差し出してきた端末を覗き込む。
『先輩花嫁の体験談』と銘打たれた記事には、卒業生同士が母校のチャペルで式を挙げたと書かれていた。
「ん?大学のチャペル・・・?」
勇太の顔を見上げると、黒目がちな瞳をにっこりとほころばせた。
「さっきたまたま見つけたんだ。こういうの面白そうじゃない?俺らの学校でもできるらしいよ」
「えっ、そういわれれば、なんか見たことあるかも・・・」
わたしと勇太の通っていた大学はミッション系なので敷地内に礼拝堂がある。
学祭の準備かなにかで休日に大学へ行ったとき、チャペルに人だかりができてきるのを見た気がする。花嫁さんまでは見えなかったけど。
「へぇぇ、知らなかったなー。結婚式なんてみんなホテルでやるのかと思ってた」
「そんなわけないだろ!俺のいとこは寺でやったよ?お坊さんと結婚したから」
ゲラゲラと楽しそうに笑う勇太。
思わずじっと見てしまった。
なんだ、ちゃんと笑えてるじゃない。心の底でほっと息をつく。
「ん、なに?どした?」
まだ口角を上げたまま、勇太が少し目を潤ませて覗き込んでくる。
「う、ううん!なんでもない」
「そう?」
ふふ、といつもと同じ顔で微笑む。
よかった。いつもどおり、わたしの知ってる勇太だ。
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レジーナ(プロフ) - どさんこさん» ありがとうございます(^ ^)少しでもお暇潰しになれば幸いです☆ (2020年5月15日 17時) (レス) id: f10a3ced08 (このIDを非表示/違反報告)
どさんこ(プロフ) - うわあ〜!!!!!!待ってました!ありがとうございます(^^) 私も最近は海人と神宮寺の爆イケ具合が上がってきてます!!これから楽しみに読ませて頂きますね(^^)またきます!頑張ってください。 (2020年5月15日 17時) (レス) id: 2b49440ff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レジーナ | 作成日時:2020年5月15日 13時