明日のむこう【Y.K】In my heart

Going on 15 ページ15

「だぁーめだ！！もうもたねぇ！」

大丈夫。十分もった。３回目だし。

ぎゅうっと抱きしめてくれる。

奥へと押し込まれる格好になって、ビクリと小さくイッた。

首すじに顔を埋めて必死に腰を突き入れてくる彼の背中へと手を回す。

汗だくの広い背中。抱きしめられるのもいいけど、岸くんを抱きしめていると、ずっと奥の方から『この人が好きだ』っていう想いが湧き上がってくる。

「Aさん・・・Aさんッ！あー・・・イクッ！！」

ううっと呻いて、岸くんがナカで弾けた。

背骨が軋むほどの強い力で抱きしめてくる。

私の腕の中で、振り絞るようにびくっびくっと震えてる男の子が、愛おしくてたまらない。

きゅうきゅうと締め上げる奥でガマンを放った岸くんが、そのまま体重をかけてくる。

重いけど・・・耐える。彼が気を抜いたこのまったりとした時間が結構好きだったりする。重いけど。

「うあーーー！ごめん！！」

「あっ・・・」

ふわっと体温が離れかけて、思わず残念そうな声がでてしまった。

え、と目を見開いて固まる岸くん。

「もうちょっと、ぎゅってして」

「えっっっ！！ちょ、ちょい待ち！取れちゃうからさ・・・」

そうっと私のナカから出て行って、でも横に寝転がったまま頑張ってティッシュに手を伸ばしゴミを包む。それを床に放り投げたのは、見なかったフリをしよう。後で捨てればいい。

岸くんはパチンと部屋の灯りを消して、壁の方へ引っ付くようにベッドの端へと寝そべった。

「じゃ・・・どうぞ！」

発達した上腕二頭筋は枕にしては硬すぎる気がするけれど、岸くんの方を向いて頭を預けたら、それはもう嬉しそうな笑顔が待ち構えていた。

「もう平気？出し尽くした？」

「うぇっ？！Aさん、まだヤル気だった？！」

「や、私はもういいけど、優太は満足できたかなって」

「んー、正直、まだイケる！けど、疲れただろ？酒も飲んでたし」

言ってるそばからあくびがでて、岸くんがそっと笑いながら髪を撫でてくれた。

岸くんの背中へ手を回し、引き寄せるようにくっつく。目はいつのまにか閉じていたようだ。

「Aさんがくっついてっと、オレも眠くなんだよなー」

「ん・・・」

「おやすみ、Aさん」

指の背で頬を優しく撫でられて、深い眠りの底へと引きずり込まれる。

まぶたの裏で、岸くんが笑ってた。

唇に、柔らかいものが触れた気がした。



.


Fine.


明日のむこう〜In my heart〜

☆いいわけ☆→←Going on 14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す