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青の絵の具の中に垂らした白い絵の具のような雲を眺めながら、歩いた。



「あれー、”なんとなくちゃん“だ」



”なんとなくちゃん“



その呼び方に思わず寒気がした。



「金子先輩…」



後ろからかかった声に振り返ると、見知った顔の人間が3人、興味津々の目をした人間が1人いた。



「ほんとだー、なんとなくちゃん久しぶり〜」



「あれ、3組の川本さんだよね?

先輩、知り合いなんですか?」



「あ、私、この先輩見たことあるー!

今泉先輩と仲いい人だ!」



好き勝手に言う4人の人間。



うるささに顔を顰めた。



不協和音だ。



「中学時代の後輩〜

高校も音駒来たって聞いてさ、吹部来たらどうしようって心配してたんだよね〜

ま、でも、来るわけないよね?」



「そうそう

この人がいると演奏成り立たないから。

だったよねー?」



「えー、川本さん吹部だったんだ!

入れば良かったのに!仲良くなりたいな〜」



「えー、でもー、演奏成り立たないってことは、自己中な人ってことですよねー?

エリカ、いやですー」



「仲良くなるなんてやめときなよ、この子、最後友達に愛想つかされて逃げられてたし、ね?」



「あー、理佐ちゃん?だから一緒じゃなかったんだー」



「…ねぇ、さっきからなんで無視してんの?」



あーわかるわかる、目の前にいる嫌いな人に懇親の悪口言ったのに無視されたらさ、腹立っちゃうよね。



「あ、私に言ってたんですかぁ?

皆で楽しくおしゃべりしてたから、邪魔しちゃいけないと思ったんですけど」



それにさ、その人がヘラヘラ笑いながら言い返すと、もっと腹立つよね。



「…見た目ヤンキーっぽくなっちゃったしさぁ、ほーんとAちゃんナマイキ〜」



私の抱えるボトルをひとつ取って、ぶらぶらと振り回す。



「バレー部のマネやってるって言うし、媚売ってんのかな〜とか思ってるんだぁ」



笑みを浮かべながらボトルを回す先輩に、正直いって吐き気がする。



「はっきり言ってうざい」



先輩が私の腕にボトルを叩きつけ、私の持っているボトルがバラバラと地面に落ちる。



でも、それでも怖くないのは、



「おい!何やってんだよ!」



仲間がいるって思っているからだろうか。

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た ま ご の き み 。(プロフ) - #まどかさん» ただいまです!(笑)ありがとうございます、頑張ります!(*^^*) (2018年7月14日 20時) (レス) id: 2f2f403aba (このIDを非表示/違反報告)
#まどか(プロフ) - おかえりなさいです!(?)これからたのしみにしてます(*^^*) (2018年7月14日 20時) (レス) id: 3fa50f0937 (このIDを非表示/違反報告)
た ま ご の き み 。(プロフ) - #まどかさん» こんばんは、コメントありがとうございます!ありがとうございます、楽しんできますね!帰ってきたら更新頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします!(。・ω・。) (2018年7月9日 18時) (レス) id: 2f2f403aba (このIDを非表示/違反報告)
#まどか(プロフ) - こんばんは!修学旅行楽しんできてください!( ´∀`)楽しみに待ってます! (2018年7月9日 18時) (レス) id: 3fa50f0937 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:た ま ご の き み 。 | 作成日時:2018年7月1日 18時

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