ただ、なんとなく。【孤爪研磨】

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「…正式にマネージャーとなりました、川本Aです。

まだまだ力不足だとは思いますが、よろしくお願いします」



「「「「オナシャース！！」」」」



前回同様大きな声が体育館に響く。



心無しか、にやけ顔の部員が多い気がする。



「じゃあえーと、芝山！

こいつにマネの仕事教えてやってくれ」



「あっ、はい！」



1年生らしき子が、黒尾先輩に名前を呼ばれて私の前に立つ。



「…あ、1年の芝山優生です！

ポジションはリベロです！

よろしくお願いします！」



芝山はぺこりと頭を下げてから、私を見る。



私よりも少し大きな身長に、ちょっとした嫉妬が生まれるけど、気にせず少し頭を下げる。



デカい黒尾先輩に「チビ」って言われたって、純粋でデカすぎるリエーフに「小さいですね！」って笑顔で言われたって、相手は男子だ、気にするな。



これでも結構平均的な身長だ。



ただ、


もう少しだけでも背が高かったら、


もう少し近くで、研磨の声聴けたのになって思ってるだけ。

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