脱退。【東海オンエア】 (ページ32)

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#32 回想ページ32

．

「＿＿＿。」

どうしよう。

私、桃華のこと無視しちゃった。

桃華と目合ってたのに、聞こえてないフリをした。

見えていないフリをした。

…どうしよう、傷ついたよね。

どうしよう。

「＿＿＿＿？」

謝らなきゃ。

でも、あの子たちの前じゃ謝れない。

なんか言われそうだし。

それでまた桃華が傷つくようなことされたらいやだ。

LINEした方がいいか。

……あ、私桃華のLINE無視してるだった。

…電話に、しようかな。

「＿＿＿＿！」

もう、私のことなんて嫌いかな。

電話無視されたらどうしよう…。

LINEも無視されて、学校であっても話してくれなくなったら……。

て、全部私がしたことじゃん。

こんな酷いことを桃華にしてたんだ…私。

そんなの、嫌われるに決まってる。

もう桃華とは一緒にいられないのかな……。

．

．

．

「A！！」

突然大声で自分の名前を呼ばれ、反射的に体が反応して持っていた箸を落とした。

目を見開き、ぱっと前を見る。

目の前にいるてつやは怒っていた。

て「お前人の話をちゃんと聞けー！」

　「…あ、ごめん。何だった？」

今は昼休み。私はてつやたちと弁当を食べている。

でも桃華のことで頭がいっぱいでお弁当を味わう余裕もみんなと会話する余裕もなく、黙り込んでた。

弁当だってまだ四分の一も減っていない。

なのにもう昼休みが終わりそうな時間だった。

て「…だから、桃華のこと。」

　「……。」

"桃華"

その言葉にもう一度黙り込んでしまう。

と「…正直、俺はあいつのこと信じれない」

ゆ「俺も。何も言ってこないってそういうことだろ？」

え。

そっか、としみつとゆめまるは、そう思ったんだ。

し「…俺は、桃華は何もしてないと思う」

り「うん、俺も」

しばゆーが下を向きながら話す。

りょうくんは私がさっき床に落とした箸を拾いながら、そう言った。

そして私に箸を渡すと同時に、

り「…Aは？」

　「……え？」

り「どう思うの？桃華」

まっすぐ、私だけを見つめてそう言った。

　「…分かんない。」

あー、ずるいな。

自分だけ肯定も否定もせず、中立の立場に立ってさ。

…でも、ほんとに分かんないの。

一気に色んなことがおこりすぎて、

頭が悪い私には、もう限界なんだよ。