#28 回想 ページ28
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桃「なんで1組と5組こんな遠いんだよ」
「いやまぁ1と5なんでね。1と2ならまだしも」
桃「なんでお前4組じゃないん?」
「それは理不尽すぎん??」
5組に続く長い長い廊下を二人で歩く。
長い廊下なのに話題は尽きない。
話したいことは沢山ある。
話しても話しても、また新しく話したいことがある。
桃「歩くスピードもう少しめっちゃ早くできんの?」
「それを矛盾と言うのよお嬢さん」
『……あいつまじで無理なんだけど』
『分かる笑 調子乗りすぎじゃん?』
『見てて不愉快なんだけどー』
その声がした方に視線を向けると、女子たちが3組の廊下の前で固まりながらヒソヒソ話をしていた。
あ、あの子たち。
昔桃華のこといじめてた奴らだ。
ヒソヒソ話をしているつもりだろうけど丸聞こえ。
いや、わざと大きな声で話してる?
私たちの方を見てるわけではないけど、
明らかに私たちに向けてる言葉。
「むっしっしーむっしっしーーー」
桃「いや笑」
「はいはい無視して5組行くよ」
桃華の手を掴んで走り出す。
歩いたらちょっと時間かかるけど走ったらすぐだ。
二人で笑いながら走ってるうちに5組についていた。
て「お前ら遅すぎん?笑」
「いやお前が置いてったんだろ脳天ぶち抜くぞ」
て「だってA起きんもんー」
「てかお前鍋食べたのにまだ食べんの?」
て「あれは前菜的なやつ」
「でっっっっっっぶ」
り「Aだけはそれ言っちゃダメだね」
「ちょっと待ってそれどういうこと??」
し「ねーねー卵焼きちょーだい」
「私の卵焼き一個につき1000オフィスだけど?」
と「どこの国の金の単位だよ笑」
ゆ「Aワールドやん(?)」
「!?ゆめまるどうした??頭は正常??」
桃「ブーメラン乙です」
「ぐさっぐさっぐさっぐさっぐさっ」
「あ!今日バイトやん!虫さんに会えるー!!」
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幸せだった。
毎日みんなと笑い合って。
悪いことなんて何もなくて。
もう学校に住み着きたいぐらい。
…でも、ちょっと幸せすぎて怖かった。
幸せは永遠に続かない。
いつか"ぷつん"と切れてなくなる。
切れないこと願うばかりだけど。
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『ねーね!知ってる?桃華ってさぁ…』
『____で、だから転校してきたらしいよ』
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……まぁ、そんな簡単に切れないよね。
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作者名:メロンパンケーキ | 作成日時:2020年3月27日 19時