脱退。【東海オンエア】 (ページ26)

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#26 回想ページ26

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「やめなよ！」

『…は？誰？』
『え、まさかこいつの友達？笑』

体育館裏に、ガラの悪そうな女子３人組。

これだけ言えば誰でも状況は察せるだろう。

３人の足元をよく見ると、女の子が蹲(うずくま)っていた。

至る所に泥がついていて、生傷も沢山。

この子たちが寄ってたかって蹴ったんだ。
３人で１人を。ほんとに酷い。

「…友達ではない。」

『そこは嘘でも友達って言ってやれって笑』
『こいつまじで友達いねーからさ笑』
『陰キャってほんとかわいそー笑』

一気に騒ぎ出す３人。

それを聞いて蹲ってる女の子が土と一緒に手を握った。

力の込めすぎか手が震えている。

そんな彼女を見ても罵るのをやめない３人。

……しょうがない。アレを出すしかない。

あまり使いたくはなかったんだけど…。

一つ息を吐いて、大きく吸う。そして……

「……せんせーーーーい！！！！」

『…はっ！？』
『ちょっ！！やめ…っ！』

「喧嘩してます喧嘩ーーー！！先生早くーー！！」

『やばい、誰かくるよ…っ、』
『…ちっ、覚えとけよおかっぱ頭』

名台詞いただきました。

そしておかっぱ頭は関係なくないか？
そもそもおかっぱ頭じゃないし。

ボブね？？

え私ワカメちゃんと同じ風に見えてんの？？

そんな疑問を抱きつつ私は女の子の方へ目を向けた。

女の子は呆然としていて現状を受け入れられてない様子。

そりゃそうだよねー。急に助けられてもねー。

「…大丈夫ですか？」

しゃがんでいる彼女に目線を合わせる。

ちゃんと敬語ね、先輩かもしれんし。

『あり、がと…っ』

状況が理解できたのと同時に色んな感情が押し寄せたのかな。

ぶわ、と目に一気に涙が溜まる。

押さえ切れないのか涙はぽろぽろ溢れてしまって。

私がそれを慌てて拭き取る。

『ずっといじめられてて…っ、理由も分からず…』

「理由も？教えてくれなかったんですか？」

『聞いても教えてくれなくて…、』

「…そうですか。」

「…あ！！名前！なんて言うんですか？」

．

．

．

『神崎桃華(かんざきももか)です。』

「神崎桃華ぁ？……あーー！！！」

「貴方が噂の転校生！！」

桃「噂…？」

　「そう！５組にめっちゃ可愛い子が転校してきたってみんな騒いでたんだけど私１組だからさ…」

　「うわー！ほんとに可愛い！！」

　「私四宮A！よろしくね！」