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#25 ページ25









「なんで…?」



朱里ちゃんがいることに驚いている訳ではない。

元々今日朱里ちゃんはいると思っていたし。



彼女だけが一人、ここにいることに驚いている。






どういうこと?


てつやたちは?


そもそも約束の場所はここじゃないの?




分からない。


考えれば考えるほど分からなくなる。





朱「ごめんね、てつやたちじゃなくて」





目の前にいる彼女は、笑っている。

でも彼女の声は弱々しく小さかった。





朱「貴方と話しがしたいのは私なのよ」





中央に置いてある椅子に座っていた朱里ちゃんは、立ち上がりゆっくりと私の方まで歩いてきた。


私は疑問で頭が一杯でそれに反応する余裕すらない。

彼女がこちらに来るまで呆然とその様子を見ていた。





朱「脱退してくれてありがとう。ほんとに嬉しい。

 ……でもまだ駄目なの。




 どんどんいなくなってく。あんたのアンチ。


 あんたのアンチね?みんな口を揃えてこう言うの。

 『まさか本当に辞めるとは。ごめんなさい。東海オンエ アに戻ってきて』って……。」






朱「アンチの奴らはみんな手の平返しやがった」


朱「……っは?」








朱「巫山戯るなよ」



 「…っ!」



朱「なんでお前はいつもいつも……っ!!」





パリン





朱里ちゃんが手に持っていた携帯を床に投げつけた。

一回投げただけなのにもう携帯はボロボロで。


相当力を込めて投げたんだと思う。



そんなボロボロの携帯を朱里ちゃんは拾い、もう一度





パリン





地面に向けて思いきり投げつけた。


そしてそれを拾い、また投げる。

その繰り返しだった。




何もできない。

なんとかしなきゃ。


止められない。

朱里ちゃんを止めなきゃ。




私はどうすればいいの、?








今度は、近くにあった椅子を蹴り飛ばした。




椅子が飛んだ方向には運悪く社員さんいた。


でもお構いなしにまた蹴る。


すると当然社員さんに椅子が当たる訳で。

社員さんが顔を歪めたといのにまた椅子を蹴る。






 「…ちょっと!」

















































 『やめなよ!』





























あれ?何この記憶。



なんで今思い出したんだ。


朱里ちゃんを止める言葉と、何かが一致した。





























………ああ、思い出した。









確かあれは、高校2年の夏______。

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作者名:メロンパンケーキ | 作成日時:2020年3月27日 19時

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