文豪から愛しい貴女へ

看病します <中島敦> ページ25

麗華さんリクエスト

*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･'･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*

「けほ……げほ」

朝、だるっぽくて熱を測ると高熱だった

国木田さんに電話をすると

「敦を其方に向かわせるから寝ておけ」

と言われベッドに潜る

「お邪魔しまーす……大丈夫？」

敦は私の恋人なので合鍵を渡している

「うん……多分」

「熱、高かったみたいですね。これ、おでこに貼ってください」

「うん……」

そう言ってペタッと貼ってから敦にマスクを渡す

「私もしてるけど、一応お願い」

「大丈夫です！太宰さんにすぐ治る方法を聞いてきましたから！」

「いや、しておいて？」

そう言って彼を見つめれば顔を赤くし乍マスクをした

「すぐ治る……方法って？」

「凄く体調が悪いのは承知なんですけど、汗をかく事ですって」

「……普通に常識のことで驚きました」

そういえば少し笑う敦

「そろそろ、寝るので……」

「あ、ご飯いりますか？」

「ううん、先刻お粥食べた」

そういえば少し残念そうに笑い

「僕が食べさせてあげたかったな」

と呟く敦

……本当に敦？

「今日は何時もと違う」

「そうですか？」

「……失礼だけど、ヘタレ具合がない」

「あはは……」

苦笑いする敦は確かに敦

でも、雰囲気が違う

「……Aさん、早く治したいですか？」

「うん」

「じゃあ……失礼します」

そう言って敦はマスクを取って私のマスクもずらして

キスをした

私が慌てて胸元を叩いてもビクともせず、舌を入れられる

「ん……ふ……」

「……ん、これを続けたら治ると思いますよ」

「だ、太宰さんの知識ですか！？馬鹿敦！」

そういえば敦は笑いながら

「それ以上言われたらもっとしちゃいますよ？」

そう言われて黙ってマスクをつける

体温がまた上がった気がする









*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･'･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*

敦「リクエストありがとうございました！え、風邪ですか？ひいてないですよ！」

ティータイム <芥川龍之介>→←眠り姫に <江戸川乱歩>

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す