文豪から愛しい貴女へ

理想とは <国木田独歩> ページ38

百鬼夜行さんリクエスト

*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･'･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*

「この理想馬鹿！もう知らない！！」

そう言って探偵社のドアを勢いよく開けて出て行く

「あ、おい！」

そんな声を無視してうずまきへ行く

「いらっしゃいませ！ってA、泣いてるの？」

「うう……ルーシー……あの理想馬鹿がぁ」

「取り敢えず座りなさいよ」

そう言われてカウンターに座る

ルーシーも隣に座って背中をさすってくれる

「あの理想馬鹿が、手帳の予定ばかり優先して私に構ってくれない」

「理想馬鹿ってあの国木田って人よね？」

「うん。私は結構頑張って誘ったのに、逢引もしてくれない」

「それは……恥ずかしいとか？」

「知らない」

そう言って珈琲を頼む

「だから手帳を隠したら怒られた」

「それは誰だって怒るわ。まるで下の妹か弟ができて構ってもらえなくて悪戯する子供と一緒よ」

「判ってるもん！でも……好きだからこそ構って欲しい」

「あら、好きなのね？」

「好きよ！好きだけど彼、好きとか言ってくれないもん……」

「それ、ただ単純に恥ずかしいんじゃないかしら？」

「そうだ」

そう言って聞き覚えのある声が聞こえた

「戻るぞA」

「嫌よ！断固嫌！」

「……どうすればもどってくる」

そう言われてこれは絶好のチャンスなのではと思った

「なら、好きって言ってよ」

そう言えば理想馬鹿は戸惑いながらも私に近づき、耳元で

「愛してる」

と言った

「戻ってきてくれないか？」

「……仕方ないわね」

「素直じゃないわ」

「……手帳隠してごめんなさい」

「いや、俺も怒りすぎた。それに元は太宰の言ったことだったそうだしな」

そう言いながら国木田さんは手帳を取り出し

「今から予定はない。逢引にでも行くか」

「行く！」

そう言えば国木田さんは嬉しそうに笑った









*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･'･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*

国「リクエスト感謝する。その……偶になら言ってやるから、怒るなよ」

心配性 <黒の時代の太宰治>→←魔人の罠 <ゴーゴリ>

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す