お互いが近くに居ないと…………[鶴丸国永] (ページ27)

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二十三夜。(ノーサイド) ページ27

～数週間後～

刻夭「………。」

あの日、斬鬼はすぐに部屋に籠ってしまった。…伸介を連れて。

それからと言うもの時折すすり泣く声や呻く声。悲鳴、怒声が聞こえる。

一期「刻夭殿。いい加減部屋から出さないと闇堕ちしてしまいます。」

刻夭「分かってるさ。…でもなぁ…声かけても無反応なんだよなぁ…」

中がどうなって伸介がどうなっているのかわからない以上男子たちに見させるわけにはいかない。

その男子たちも心に傷のある”元„ブラック本丸出身だからだ。

あ、ちなみに今の一期は元々伸介の所のだ。イヤー訳あってうち鍛刀出来ないから。

その話は追々するとして……

?「(ﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂ)…………………………………………」

刻夭「…まぁた来たか…」

半分呆れながら呟くと隣の一期も顔をしかめる。

?「…斬鬼……斬鬼…………斬鬼…斬鬼……斬鬼…斬鬼………斬鬼…」(ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ)

一期「っ!!鶴丸殿止めてくだされ！」

そう。さっき一期が堕ちると言ったのは…

鶴丸「何でだ…何で出てきてくれないんだ?…俺が守れなかったからか?…斬鬼………斬鬼」

今もなお帰ってこない返事にたいして泣きながら聞いている。

その瞳は少しずつ赤くなっている。闇堕ちしないのは斬鬼が生きていてまだ可能性があるから。

その微かな希望だけで今はまだ堕ちていない。

このままでは鶴丸も。…そして斬鬼も持たない。そこで俺は賭けに出る。

刻夭「…鶴丸。このまま中に入って斬鬼と話をしてこい。」

今の二人を一緒にするのは本丸としては危険度大。

二人同時に闇堕ちなんてしたら此方の手には負えないからだ。

だが、鶴丸以外がこの部屋に入ったところでまともに話なんて出来ない。

それどころか入った瞬間殺られる。

そう。これは賭け。

鶴丸が何とか斬鬼を外に出せたらこちらの勝ち。

逆に斬鬼に拒否され鶴丸が堕ちた場合…こちらの負け。

鶴丸が鍵だ。

鶴丸「斬鬼………今入るから……」

何時もの楽しそうな雰囲気は何処へやら、狂気が混じり不安そうな顔をして中へと消えていく。

刻夭「頼むぜ…二人にはまだまだ教えたいことが山ほど有るんだからな。」

無事に戻ってくれ。