お互いが近くに居ないと…………[鶴丸国永] (ページ25)

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二十二夜。(刻夭サイド) ページ25

さて、状況を説明しよう。

目の前をすごい勢いで伸介が通った。(飛んでったとも言う。)

壁に頭を打ったのかぐったりしている。

けど、それより心配なのは…

私「鶴丸…鶴丸鶴丸鶴丸鶴丸鶴丸鶴丸…鶴丸鶴丸鶴丸…鶴丸鶴丸……………………」(ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ)

何故か全裸で気を失った鶴丸と折れた刀を抱き締める斬鬼。

刀の刃は欠けているがよく切れるようで斬鬼の腕が赤くなっている。

刻夭「斬鬼！大丈夫か?!」

直ぐに駆け寄り、霊力で手入れする。

すると斬鬼の体を桜の花弁が包み見えなくなる。次見えたのは何時もの様に深くフードを被った姿。

私「私が…あんな男に…捕まったか…ら鶴…丸が折れ…て鶴丸が…傷付いた、私が…私が…」(ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ)

なるほど。抱き締めている折れた刀はここの鶴丸の様だ。

鶴丸もここで暴行を受けたのか、斬鬼の腕の間から見える頬に痣がある。

三日月「刻夭！！斬鬼は…」

小狐丸「斬鬼！何をされましたかぁぁぁっ！！！」

伸介が気を失ったことで此処の男子にかけられていた術が解けたのだろう。

走ってきた二人が部屋と斬鬼と鶴丸と壁にめり込んだ伸介を見て絶句する。

そりゃそうだ。だって鶴丸は気を失ってるからこの伸介を投げたのは必然的に斬鬼になる。

私「そうだ………そうだよ……殺すだけじゃ…生ぬるい…よね。………鶴丸を傷付けたんだから…」

『ずっと苦しまないと。』

そう言った斬鬼は笑っている気がした。

私「あぁ…三日月、小狐丸。丁度ヨカッタ。ソコノ人間。運んで…クレルヨネ?」

にこにことした笑顔。初めて見る笑顔がこれとかついてない。

私「その人間にはずっとズット苦しんでもらうの。三日月…私は…もう鶴丸に触ることは許されない。…私の代わりに運んで?」

笑顔なのに…俺には泣いているように見えた。

そして一段落したあと、俺は結局伸介の本丸の刀剣をすべて引き取り自分の本丸へと帰った。