4話【捜索する主将】 ページ5
〜五十嵐 圭作視点〜
「遅かったな」
「すみません。今から用意してます」
勧誘するのに頑張ってくれるのもありがたいけど
もう少し時間に余裕をもって行動してね
て言うつもりだった
「いいよいいよ、新入部員を連れてきてくたし」
けど、
新入部員を連れてきてくたし
言うことない
良い部員を持ったな
なんてしみじみとした
「あれ?」
「どうかしたんですか?」
「何か足りない」
「何がですか?」
「周りを見てごらん」
清春と一宮はあたりを見渡し
ようやく気づく
「渡辺くんがまたいません!」
「何十回目だよ」
困ったものだよ
彼は
「探してくるっス」
「俺が探しに行くよ」
「俺達だけで大丈夫っス、五十嵐さんはココに行ってくださいっス」
俺に探させまいと
清春と雅春は体育館の入口を塞ぐ
「大丈夫だって死はないから」
「そんな選択肢あるんっスか」
「ある時はある」
「もしかして直人もう土の中かも…」
急に探偵みたいに推理し始めた
2人を置いて
俺は渡辺を探しに行くことに
「貴之ー」
「何かしら?」
副主将の貴之を呼び
俺が渡辺を探しに行く間に
部員の自己紹介を一年生達にさせておいて
と頼んだ
「じゃあ、あとよろしくね」
「気をつけるのよ」
それにしても
よくよく考えれば
渡辺は危なっかしい…
練習試合で他校や他府県に行けば
よく迷子になるし…
他にも色々とあるな…
「簀巻きにすればいいかな…」
それなら
何処にも行かないし
「でもなー」
誰かが渡辺を運ばないといけなくなるし…
ダメか…
なんて考えながら
渡辺がいそうな場所を探す
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