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少女ともう1人の話−9 ページ10

「このナイフはね、特注品なんだよ」

手にしたナイフを玩びながら得意げに話す"私"
一方は絶句している私

「"私"と同じ深層心理から生まれたナイフってこと すごいでしょ?
 このナイフで刺された存在はたちまちこの世から消え去るの
 でも欠点が1つあってね、1回しか使えないんだよね〜」

スッと扱いなれた動作でナイフの先を私に向ける

嗤うその姿は悪魔のように思えた

そして恐怖に支配された頭で理解する



あぁ、
私…

殺されるんだ…

いや、違う


存在そのものを消されるんだ…




やだ…

消えるなんて…

嫌だよ…


だれかっ


助けてよ!



いつのまにか視界がぼやけていることに気がついた

「あれ? あなた泣いてるの?
 フフッ いっそのこと泣き叫べばいいのに」

その言葉で自分が泣いているのだととわかった

「まぁ…
 泣き叫ばれたら、私のお母さんがここへ来ちゃうから
 それはそれで面倒か…」



「あんたの母親じゃないっ」


私でも気づかぬうちに叫んでいた

でもそれは恐怖と涙で震え、かすれていて
1階にいる母親には聞こえはしなかっただろうが


目の前の悪魔は嗤う

「あれ? あなたまだわかってなかった?
 あなたは今から消されるの そして"私"があなたに成る

 だからはあの母親は"私の"で合っているの」



違う、違うよ…

そう否定したかったのに、もう声が出なかった



「よし、もうおしゃべりは終わりにしよっか


 消えて


 "私"のために」


悪魔の持つナイフが私の頭上で光る


そして―――――――――


・・・

翌日

「玲、ホントにドッペルゲンガーいないと思ってるの?」

結衣が部活の準備をする私に聞いていた

「うん もしいたとしても勘違いだよ
 だってドッペルゲンガーって人と会話しないんでしょ? じゃ、もう部活だから!」

何か言いたげな結衣を残して私は教室を出た

・・・

部活も終わり、下校時刻

珍しく彼は休みで、1人で通学路の小学校の横道を歩いている

「ニャァ」

猫の啼き声が聞こえた

気づくと足元には黒猫

私はそっと座り込み、黒猫に囁く



「招いてくれたのあなたでしょ?


 ありがとね」

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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