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少女ともう1人の話−5 ページ6

私は心に妙なしこりがあるのを感じていた

当たり前だ

あんな非日常的存在を見せられたら、誰だって…

私は"あいつ"のことを思い出し、また寒気を覚えた

夢、だよね…?
不思議なことに時間がたつごとにあいまいになってゆくその記憶に、私はそんな感想を抱く

腕をさすりつつ時計を見上げた
午後6時半過ぎ

すでに、部活は終わっている

そして私は、昇降口近くにて彼を待っていた
小学校の頃から一緒で、恋人である彼を

やがて待ちわびた彼の声が聞こえた

「ごめん、待たせちゃったかな?」
「いや、そんなことないよ」
「じゃ、帰るか」
「うんっ」

こんな会話だけでも、なんだかほっとする

彼の温かさに触れていたら、もう1人の自分を見たことなんて、どうでもよくなってくる

もしかしたら、こういう風に思うことが、私が能天気だと言われる理由かもしれない

でも、どうでもいいものはどうでもいいのだ

・・・

彼と一緒に下校する
少し暗い道

彼と話すは楽しい
でも、すぐに家についたため、その会話もすぐに終わってしまう

なんで、家と学校がこんな近いんだろう、と不満を抱かずにはいられない私に彼は

「またね」

と言う
私もなごりおしさを感じつつ、返す

「うん、じゃぁ、またね」

去っていく彼の背中を見つめて、やがて私は家の中へと入る

「ただい…」

そこで私は否応なく思い出した
薄れていた記憶が一気に現実味を増す

「さて、食べましょうか 今日は自信作よ〜」
「ホントー! おいしそー」

母親と話しているのは、私ではない

「じゃ、いただきます」

食卓を囲んでいるのは、私ではない





"あいつ"だった
いや、"私"というべきかもしれない

そこには、笑顔で母親のつくった夕飯を食べる"私"がいた

今度こそ、痛感させられた

これは、夢でも幻でもないことを

まぎれもなく、現実であることを

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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