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彼女と鏡の話−10 ページ37

その後

優希には保健室に行かせた

「明日はもう学校に来ないほうがいいわ
 しばらく休んで」
「…」

私の言葉に優希は黙ってうなずく

蒼白になっている優希の顔を見ていると
私達2人で抱え込まないで、誰かに相談したいという気持ちにかられる

でもこの怪異を目撃できるのは私達だけなのだ

それを見ることの出来ない人達に相談しても
誰も私達の話など信じてはくれないだろう

ふと時計を見ると帰りの会がもうすぐ始まろうとしている時刻だった

そろそろ、クラスに戻らないと

私はベッドに腰かける優希に目線を合わせるようにして
中腰になる

まるで幼児に接しているみたいね…

「優希。鏡の前にはくれぐれも行かない事
 でもさっきみたいに無意識に動いてしまうかもしれないから、
 先生には優希がベッドから出ようとしたら
 無理やりにでも抑えて下さいって言ってあるわ」

…まぁ、だからと言って安心は出来ないけど

「う、うん。わかった」

優希が首を縦に振ったのを確認して、
私は立ち上がると、保健室を出た

・・・

放課後

私は保健室に行った

もちろん優希を迎えに行くためである

あんな様子の優希を1人で放っておく事はできないからね…

「優希ー?」
「ゆ、結衣!」

ベッドから出て来た優希は大分顔色が良くなっていた

「その様子だと、何も無かったみたいね」
「うん、、、」

力無く微笑みながら優希は言う

「ねぇ。結衣」
「何?」
「こんなの何時まで続くのかな」

見ると優希は追いつめられたような、ひどく深刻な顔つきになっている

私はしばらく言い淀み、

「…大丈夫。私が、終わらせるわ」

しっかりした口調で言った

でも、私は優希の目を見て言う事が出来なかった

これじゃあ不安にさせるだけね...

そう思ったが、優希の顔には先ほどのような深刻な表情は無くなっていた



「じゃ、帰ろっか」

優希が明るく私に言う

その明るさには無理にだしたような響きが含まれていたが、
そこには触れないことにした

「…そうね」


・・・

翌日

私が言った通りに優希が学校に来ることはなかった

私は何か手掛かりは無いものかと
鏡を調べているとある事に気がついた

「鏡が互いに映らないようになってる…?」

そう、こんなにたくさんの鏡があるというのに
1つも鏡の中に鏡が映っているものは無かったのだ

「何故…?」

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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