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彼女と鏡の話−8 ページ35

結衣SIDE

数時間前
保健室を出た後

ボーッとしている優希を引き連れ、私は教室へと向かった


私は優希の足にある痣を思い出す

…早すぎる

この怪談は2日目でここまで被害者に恐怖を与える事は無い

むしろゆっくりと相手に疲労を蓄積させ、
精神を削りいたぶっていく
そして、最後にはもう後戻りのできない段階にまで追いつめた相手を
あちらの世界へ引きずり込むのだ

なぜ、そんな事を知っているのかというと
とある男性が書いた古い本を図書室の書庫で見つけたからだ

男性は優希と同じようにこの学校でこの怪談の恐怖にさらされた事のある人物で
その本にはそれについての内容が記されていた

だから、解る


優希にされた事が段階的にはまだ早すぎるということが



しかし、そんなことが解っていながら、
まだ明確にあの幽霊の対処法が解らない

なぜなら男性が書いた本は古いだけあって、
肝心の対処法の部分は破れていたのだ


…でも、あと少しで掴めそうなのよね
あともう少しで、あの幽霊の対処法が解る

私には、そんな確信があった


だから優希にはもう少しアレに耐えてもらわないと…


そんな私の考えを察知したかのように
教室に向かう間やその後も鏡の前を優希が通っても何も起こらなかった


…こういうのが一番怖いのよね…

あらしの前の静けさみたいで



それで私はより優希の動向には、気を付けるようにしていた

____なのに、



数学の授業が終わり、次の教科の準備をしている時

「結衣っ!これの解き方解る?」

玲が教科書を持って私に尋ねて来た

「これはこうして…」

懇切丁寧に教えてあげると、理解できたようで

「おぉ!流石、秀才! 教え方もうまいな〜」

そう褒め言葉とともに玲は去って行った

さて、優希は、、、

「!」

ヤバイ…

優希がいない

これは、確実に危険

すぐさま探そうと教室を出ようとするが、
運悪くチャイムが鳴り先生が入ってきた

「ん?お前、チャイム鳴ったぞ
 早く席に座れ」

そういうわけにはいかない

…これは嘘つくしかないわね

「すいません、先生。頭痛がして…
 保健室行っていいですか?」
「あぁ、何だ。そういう事なら、いいぞ」

あっさりと先生はそう言い教壇につく

嘘には自信が無かったけど、意外とこの手は上手くいくものね…


さ、早く優希を見つけないと…

さてどこから探すとするかしら


「手始めにこの階からに…」
「きゃぁあああああがぁああああああああああああああああああああ」

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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