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彼女と鏡の話−2 ページ29

中2の冬

雪の降る夕方

私は部活動が終わったので、帰りの支度をしていた

私が所属している文芸部の部室は4階にあり、
運動場が雪で白く染まっていく様子が良く見えた

「よし、終わった
 私も帰ろ」

他の皆はすでに帰ってしまったあとなので、
私が戸締りをする

ふと、時計を見ると6時半頃を指していた

「うわぁー、早く帰らないと6時33分になっちゃう」

私は慌てて教室を出て、すばやくドアの鍵をかける


―――雪と午後6時33分と鏡―――

この学校にはそれにまつわる不思議な怪談があった

いわゆる学校の七不思議ってやつだ

この学校はやけに鏡が多く、
階段の踊り場や手洗い場はもちろん、廊下の壁にまで鏡が設置してある

そして、
雪が降る午後6時33分に学校にある鏡に自分の姿が映ると、
鏡を通して、黄泉の世界と繋がって引きずり込まれるそうだ

そんなのは、迷信以下の信じるには足らない話であるのだけれど…


「うー、怖いもんは怖いんだよっ」

慣れない学校の静けさに、その静けさを埋めようと
つい思った事を口走ってしまう

と、そんな事を思っているうちに昇降口についた

冬を感じさせる風が入ってきて、思わず身震いをする

早く帰ろうと、上靴を通学靴に履き替えた


…!?

私はそこで視線を感じた
無視のできない強烈な視線を

恐る恐る振り向く


視界に鏡が入った



____自分と髪の長い女子生徒が映った鏡が


「っ!!」

鏡の中の女子生徒と目が合ってしまう

長い髪から覗く目は暗い光をともなっていて、
それに見つめられた私は硬直してしまった

鏡の中の彼女は、そんな私を見て
頬が引きつったような不気味な笑みをみせ、、、

そのとき、私の硬直が解けた
すぐさま彼女が立っていたはずの後ろを振り返る

だが、そこには誰もいなかった

「誰、だったんだろう...?」


気づけば、自分の中にあった彼女に対する恐怖が消えていた


内心、首をひねりながらも、
自分と同じで部活終わりの子だろうと結論づけた


雪の降る学校を背に、私は校門へと向かう

私は気がつかなかったが、
学校の壁面にある大きな時計は


―――――6時33分を指し示していた

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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