少年と桜の話−８ ページ25
ゾワッ
と、肌が粟立った
強制的にサクラとその周りの空間の雰囲気が変わったことを感じさせられた
美しい薄紅のシロザクラも禍々しく歪んでいくようだった
何より、
サクラの先ほどとは質の違う笑みに違和感以上の「何か」を感じる
僕はそれが「狂気」と名のつくモノだとは解らなかった
ただ、
サクラから、シロザクラから、一刻も早く離れなければ
という強迫観念にかられた
ゆっくりと時が流れているような感覚の中、一歩サクラから離れる
三半規管が狂ったみたいに、視界がグラッと揺れたが留まる
早く、早く、逃げなければ
足を動かそうとする
・
・
・
・
・
が、
「な、んで」
動かない
足だけけでなく、ほぼ全身が
サクラは僕のそんな様子に気づいているのかいないのか、
嫌な笑みはそのままにシロザクラを見上げる
「この木はね、もともと白かったのよ
でも、血を吸ったから薄紅色に変ってしまった…
その血は誰が用意したと思う？
＿＿＿＿私だよ」
淡々と世間話をするように話す
「私はね、昔、段々筋肉が動かなくなる病気にかかったの
私、死ぬのが怖かったから、この木と契約を交わしたのよ
…永遠の寿命を得る知恵と力をもらう代わりに人の血をあげるって…」
懐かしそうに木の幹をなでるサクラ
それは絵になるような程美しかったけど、
その美しさがむしろ彼女とシロザクラの異様さを際立たせているようでもあった
「ミナト君
もう気づいたかもしれないけれど、あなたはこの木の生贄になってもらうわよ？
―――――それと、私の」
「―――っ！！」
サクラの一言で周りの異常な空間が僕を圧迫してきた
錯覚だと言い聞かせるけど、
そう思ってしまったら、もう止まらない
グルグルと視界が回って、
嫌な周波数の耳鳴りがする
せめて、耳をふさいでうずくまりたいのに、
体が言うことを聞かない
サクラが僕の方へ目を向ける
「血を抜いた人間は、私の体となるの
まぁ、つまりそういうことだから、私の体には…」
そのとき、ひらひらと舞うシロザクラの花弁が彼女の肩に触れた
―――ぐしゃり
と、
その花弁が触れたところから腐敗していくように
サクラの体が崩れた
「…血が無いのよね」
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、ＣＭみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねｗｗ それに、ガン付けている黒猫も可愛い！！！！ (2014年6月10日 17時) (
レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば｢ガン付けてる｣とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな｢鯛食べたい｣との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね！ 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寒極 氷化 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/
作成日時：2013年11月10日 0時
