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少年と桜の話−7 ページ24

「――――待ってたよ」

そう言って微笑むサクラに僕はうなずく

「だと思った」

なぜか、昔ながらの友人のようにすぐに打ち解けた雰囲気になる

「本当に来てくれるなんて、、
 少し驚いたわ
 実は来てくれるか不安だったから」
「う〜ん、僕も不思議なんだよね…
 なんで来たんだろうって、」

僕がそう言うと、サクラは薄紅の木を見上げ、

「この木が私とあなたを繋げてくれたんだと思うわ」

愛しそうに目を細め木に触れる
彼女はそうしたあと、何かに気づいたように僕の方を向いた

「ごめんなさい
 そういえば、あなたの名前を聞いていなかった」
「そういえばそうだったね…」

自分の失態を恥じるように少しうつむく彼女に少し笑ってしまった

「な、何かおかしい?」
「いや、そんな事ないよ?
 …僕の名前は湊、だよ」
「ミナト、、、
 素敵な名前ね」

うわぁ、普通にそういうこと言える人っていたんだ…
しかも自然だし

うん、こういうのは照れるな…

僕は気を取り直すように、木を見上げ言う

「気になってたんだけど、この木ってなんて名前なの?」

するとサクラは花が咲いたような笑顔を浮かべる
どうやら、この木の話題をすると、この子は自然とこんな笑みになるみたいだ

「この木はね『形』が桜と似ているから、シロザクラと呼ばれているの」
「シロザクラ…?
 これは白くはないよね」

薄紅のこの木とシロザクラという名前は、どうもそぐわないように思える


僕の疑問を聞いたサクラは愉悦の形へと顔を歪め、告げる

「なんでだと思う?
 フフッ
 それはねこの木が…





 ――――――――血を吸ったからよ―――――――」

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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