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彼氏(笑)とディズニーなう ページ32

 
 
 
『お前いつ年パス買ったの』

河村「ちょっと前。そのほうが安上がりでしょ」

『そりゃあね。13回行けば元とれるし』

河村「夢の国でなんて夢のない会話だろうね」

『それな』


最初に言い出したのお前やろ


というわけで


夢が叶う場所に来ております


さらに詳しく言えば
「冒険とイマジネーションの海」です


『拓哉、朝飯食った?』

河村「ううん。ブランチできたらいいなって」

『座るか歩くか』

河村「座る」


俺たちは一緒に来たところで別にアトラクションに乗りに行く訳でもない


ただご飯を食べて、散策して、ショーやパレードを見て


大体いつもそんな感じ


乗っても緩やかなやつだけ


ココにいる間は煩わしいこと全て忘れられる


現実逃避に利用しているだけなのだ


『パスタでいいか』

河村「うん。Aに従う」


ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ


価格帯も手頃だし結構行く


河村「このフードコート的システムいいよね」

『確かにな。堅苦しくなくていい』

河村「何か周辺知識ちょうだいよ」

『……ザンビーニ兄弟が運営してるレストランだよ、ここは』

河村「兄弟……2人?」

『3人。長男がプリモ、次男がアントニオ、三男がエンリコ。このレストランだけでなくワイナリーも経営している』

河村「……という?」

『設定』

河村「Aはそこんところ割り切ってるよね。設定とか、山のできかたとか」

『まぁな。俺は創られた物として楽しんでるから。その精巧さと技術をね』


本当に50年以上も昔の人間がここまで完璧なものを作れるものだろうか


更地に城を、海を、山を


何度来ても感動させられる


河村「本当に幸せそうな顔してるよね」

『そんなにか?』

河村「うん。僕と一緒に東大受かった時もそんな顔してた」

『……俺の幸せってそんなもんか』

河村「人間そんなもんだよ」


幸せそうな顔をしているのは、お前がいるからじゃないかな


引かれそうだから言わないが


河村「ごちそうさまでした」

『ごちそうさま』

河村「次はどうしようか?」

『そろそろショー始まるけど見るか?』

河村「いいね」


ピクサーのショーを上から見る


遠くからでも見えるし、聞こえるからわざわざ抽選に賭けなくてもいい


河村「あれ中どうなってるんだろ…」

『流石にそれは言うな?』


クスクスと外だからか控えめに笑う


『…拓哉』

河村「ん?(カシャ……ちょっと」

『これでよくね』


穏やかな顔が納まっていた

死なば諸共→←引っ越しには光らない蕎麦



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作者名:神々の遊び | 作成日時:2021年8月12日 10時

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