幼馴染の契り ページ18
side河村
河村「小湊、今日家行っていい?」
『ん。飯何食いたい?』
河村「炒飯」
『あいよ』
僕が小湊の家で夕飯を食べさせてもらうことは珍しくない
QuizKnockに小湊が来る前も、よく2人でご飯を食べたり酒を飲んだりしていた
会いすぎて話すこともないくらいには
でも、今日は話したいことがある
この前ふくらに聞いた
小湊が「自分のせいで誰かが変わってしまうのが嫌だ」と言っていたと
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福良「悪いことしちゃったかな…って。河村は原因わかる?」
河村「…いや、わからない。ふくらは気にしなくていいよ」
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あの時すぐに僕が聞いてみるとか言っておけばよかったな
それで早く行動に移せていれば、小湊はもうちょっと元気だったかも
最近少しため息が多い
あと他のみんなは気づいてないけど普通に元気がない
……ふくらはちょっと気づいてるかな
定時になるまでどう切り出すか考えておこう
まぁ定時ってあってないようなものだけどさ
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『炒飯作るの久しぶりだわ』
河村「そうなの?」
『一人なのにわざわざ具材を刻んで鍋振るのも面倒だからな』
河村「へぇ」
小湊が作ってくれた料理を食べ、今日は酒も飲まずにゆっくりテレビを見る
東大王に出ている伊沢を見てケラケラと笑っている小湊
重い話題を出すのもどうかと思うが、このままでは良くないのも事実
河村「あのさ、」
『うん?』
河村「高校の時の、いじめのやつ。まだ覚えてる?」
『……あぁ。忘れたくても忘れらんねぇよ。なんだ?福良か?』
河村「……うん。最近目に見えて元気ないから」
『どうせそう思ってるのはお前だけ…』
河村「ふくらに言われたから…!僕だってわざわざ掘り起こしたくない記憶だけど、でも、Aは何も悪くないのに、」
『…きっかけは俺だろ』
河村「そうかもね。でも俺はAが引き金を引いたわけじゃないと思う。Aのやってたことは何も間違いじゃない。あんなの逆恨みだろ」
『でも一因は俺にあるわけだよ』
河村「っ…………僕はそう思わない。Aは、Aこそ被害者だよ」
『……うん。ありがとう拓哉』
掠れた声で僕の名前を呼ぶ
胸がどうしようもなく締め付けられる
『拓哉が味方で居てくれるなら、俺はそれでいいんだよ』
当たり前でしょ
あの時約束したんだから
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作者名:神々の遊び | 作成日時:2021年8月12日 10時