7話 ページ9
「準備はいい?悠馬」
「うん」
悠馬は覚悟を決めた表情でうなづいた。それを確認した私は、悠馬の家の呼び鈴を鳴らした。
「はーい」
中から悠馬のお母さんの声が聞こえる。自分の心臓がドクドクと音を立てているのがはっきりとわかった。
「あら千春ちゃん。どうしたの?悠馬は?」
そらきた。悠馬は昨日、私のアパートに泊まったことになっているから、必ずその質問が最初に来ると思った。
私は意を決して口を開いた。
「実は、その事でお話があります」
「?」
私の後ろに隠れている悠馬に出るよう促す。悠馬は一瞬ためらったが、すぐに自分の母親の前に出た。
悠馬のお母さんは大きく目を見開いた。
「悠馬?」
やはり母親。体が縮んでいても息子を見間違えはしないようだ。
「母さん・・・」
悠馬は緊張しているのか若干顔に汗が滲んでいる。
「どういう事なの?」
「事情は中で話します」
私の様子から只事ではないと感じ取ったのか、すぐに中に入れてもらえた。
さて、ここからが勝負だ。
「それで?一体何がどうなっているの?」
テーブルを挟んで向かいに座る悠馬のお母さんの顔は険しい。当然だ。昨日まで17歳だった息子が、小学生低学年の少年の姿に変貌しているのだから。
早速事情を離そうとした私を悠馬が手で制した。
「俺から話すよ」
「・・・いいの?」
そんなに思い出したい事でもないだろうに。
「ああ、元々は俺の問題だからな」
そう言った悠馬の顔にはもう一片の迷いも無かった。
「わかった」
悠馬は母に語った。
昨日あった事の全てを洗いざらい。
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ナツピー(プロフ) - al8056さん» 今直しました。教えてくださりありがとうございます。 (2021年5月4日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
al8056(プロフ) - 11話で先生?が生成になってますよ (2021年5月4日 23時) (レス) id: efbfb3634d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツピー | 作成日時:2021年4月23日 8時