52話 ページ9
私の殺気を真正面から受けたヴィランは、震える声で
「し、知らねェ」
とだけ答えた。
どうやら、恐怖の中にあっても秘密を守るくらいの理性はあるらしい。まぁこちらも引いてあげるつもりは無いけど。
「ねぇ、右と左どっちがいい？」
「……へ？」
私の突然の質問に呆けた声を上げるヴィランに、私は薄く笑いながら言った。
「斬り落とされる方の腕よ」
笑みを浮かべながらも視線は鋭く。中等部の頃しのぶに教えてもらった尋問のコツだ。
「右か左かどちらか選んで。さもなくばどっちも斬るわよ。その後は足でも斬ろうかしら？」
ヴィランは冷や汗をダラダラ流しながら慌てて答えた。
「し、死柄木と黒霧だ！アイツらがオールマイトを殺す役だ！」
「死柄木と黒霧？」
私が知ってる大物ヴィランの情報の中にそんな名前は無い。
ヴィラン曰く、さっきの黒いモヤの奴が黒霧で、最初に私たちの前に姿を現した主犯格と思しき男が死柄木らしい。
「それと…脳無だ」
「脳無？何それ？」
脳無なんてヴィランも聞いたことがない。だがこいつの怯えた様子からして、ただのヴィランではないのかもしれない。
「俺もよく知らねェ。ただ、対オールマイトのために用意したって話を聞いただけだ。
それと……」
「？
まだ何かあるの？」
さっき私が脅した時よりも更に顔を青くさせたヴィランは、躊躇いがちに口を開いた。
「鬼……だ」
「!!」
ヴィランの口から出た「鬼」と言う単語に、私は目を見開いた。
「そいつはどこにいる!?」
私はヴィランの胸ぐらを掴んだ。ヴィランは急に豹変した私にビクッとなったが、数秒の間を置いて答えた。
「よ、よくは知らねェが、黒霧がいつでも出せるようにはしてると思う」
それだけ聞ければ十分だと、私はヴィランを気絶させた後すぐに広場へ向かった。
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ナツピー(プロフ) - ダイヤさん» ありがとうございます(*^^*) (2021年10月8日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤ - 更新頑張ってください (2021年10月7日 16時) (レス) @page42 id: 1ad51ff6bc (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - セツさん» コメントありがとうございます。いろいろ拙いですけど楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。 (2021年1月12日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張ってください、応援しています！ (2021年1月12日 22時) (レス) id: b28a5b6b48 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 吉吉さん» コメントありがとうございます(^^)そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年8月28日 21時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年6月2日 22時
