91話 ページ48
「幸千」
「はい」
そんなことを考えていた時にお館様に名前を呼ばれ、私はすぐに背筋を伸ばした。
「明日の説明会だけど、幸千さえよければ輝利哉を連れて行ってほしい」
「輝利哉様を······ですか？」
困惑する私が言葉を返す前に、不死川さんが真っ先に反対の意を示した。
「輝利哉様をヒーロー共の巣窟に連れていくなど！いくらお館様の御提案とはいえ承服しかねます！」
「不死川の言う通り、ヒーローに産屋敷家の内情を教えることが上策とは思えません。南無阿弥陀仏」
悲鳴嶼さんも不死川さんほどいきり立ってはいないが、やはり反対のようだ。
私も正直言って両手を振って賛成はできない。でも····
「輝利哉様に、次代のヒーロー達との関わりを持たせるおつもりですか？」
私の質問に対してお館様は満足気に頷いた。
「皆も知っての通り、我々が相互理解の為に狙いを定めているのはあくまで次代のヒーローたちだ。そして幸千が関わっているクラスの子たちは入学してまもない時に思いがけず鬼と遭遇した。そして鬼の驚異と、鬼と我々の戦いを肌で感じとった。
この気を逃す手はない」
確かにその通りだ。特に私が鬼と戦っている場面をまじかで見ていた4人は、よりはっきりと鬼の脅威を感じ取ったことだろう。不安要素ばあるが、それでも彼らの中ではっきりと記憶が残っている時に鬼や鬼殺隊について教えるほうが効果は期待できる。
だが、ただ脅威を伝えるだけでは色々な意味で正義感も自己主張も強すぎる彼らなら無理にでも自分たちで対処しようとしかねない。
輝利哉様を連れていく目的は、現職のヒーローを含むそういった者たちに対して罪悪感を植え付けることだ。
輝利哉様はまだ小学二年生と年は幼いが、私たちと同じく記憶持ちの輝利哉様は前世と今世の年齢を合わせて軽く100年以上の人生経験がある。
産屋敷家で代々受け継がれている人心掌握術と、見た目からは全く想像もつかない人生経験の長さを持つ輝利哉が舌戦でヒーロー達に遅れを取る事はまずない。
早いうちに根津校長に警戒されては面倒だから説明に関しては基本私がやるが、多分輝利哉様は要所要所でヒーロー達やヒーロー候補生達の正義感と罪悪感を同時に刺激していくだろう。
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ナツピー(プロフ) - ダイヤさん» ありがとうございます(*^^*) (2021年10月8日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤ - 更新頑張ってください (2021年10月7日 16時) (レス) @page42 id: 1ad51ff6bc (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - セツさん» コメントありがとうございます。いろいろ拙いですけど楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。 (2021年1月12日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張ってください、応援しています！ (2021年1月12日 22時) (レス) id: b28a5b6b48 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 吉吉さん» コメントありがとうございます(^^)そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年8月28日 21時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年6月2日 22時
