89話 ページ46
昔は鬼と遭遇した一般人に鬼の存在や簡単な対処法を教えることはよくあったが、鬼殺隊が政府公認組織になってからはそういった情報の取り扱いもかなり厳しくなった。政府は鬼の存在を表には出したくない。鬼殺隊としても鬼の存在がいたずらに人の世を騒がせるのは望むところではない。
そのため鬼の被害者の中でも身寄りを亡くし産屋敷家が経営する孤児院で預かった子や、その他どうしても説明しなくてはならない状況に限ってでしか鬼の情報は教えないようにしていた。今回のような一件は後者に該当する。
だがやむを得ず一般人に情報を与える場合、決してその情報を外へは漏らさないという誓約が必要となる。
簡単な話、お喋りは長生きできないのだ。
おそらく明日はそれについてもしっかりと言い含めておく必要があるだろう。
不死川さんや伊黒さんや煉獄さんの場合は、ヒーロー側にこちらの情報をくれてやること自体が気に食わないのだ。
これは決して子供じみた主張ではなく、ヒーロー達とのこれまでの因縁に起因することだ。一応ヒーロー達には鬼と遭遇した時の対処法や、鬼と人との見分け方などをそれなりに細かく教えてきた。おかげで鬼によるヒーローの人命に関わる被害は一時期と比べればかなり減ったが、それでも未だにヒーロー達とのいざこざによる隊士達の被害は無くならない。
それに対するヒーロー達からの謝罪や補償はほぼないにもかかわらず、これまでヒーロー達には話してこなかった情報も含めて教えるのは割に合わないと2人は考えているのだ。
これについては錆兎さんや悲鳴嶼さんを含む、ほかの隊士達も大なり小なり思っている事だ。当然私も。
でも·····
「色々と思うところがあるのは分かりますが、それでも下手に一部だけ情報を知った者があれこれ吹聴しても困るでしょう。
なら全部教えた上で、機密保持の重要性も同時に伝える他ありませんよ」
私がそう言うと、一応は納得しているらしい不死川さんは盛大に舌打ちをした。他の人たちも若干諦めの入った表情で頷いた。
私も内心ため息をついていた。
明日の私の役目は重要だ。初めて鬼や鬼殺隊について知る者たちが今後我々にどんな印象を抱くかは、明日生徒たちに説明する私にかかっているのだから。
そしてもう一つ──
(さすがに、顔見知りが突然いなくなるのは目覚めが悪すぎる)
そう、鬼についての説明と同時に機密保持についても本当にしっかりと伝えなければならない。
彼らが消えることの無いように
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ナツピー(プロフ) - ダイヤさん» ありがとうございます(*^^*) (2021年10月8日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤ - 更新頑張ってください (2021年10月7日 16時) (レス) @page42 id: 1ad51ff6bc (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - セツさん» コメントありがとうございます。いろいろ拙いですけど楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。 (2021年1月12日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張ってください、応援しています！ (2021年1月12日 22時) (レス) id: b28a5b6b48 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 吉吉さん» コメントありがとうございます(^^)そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年8月28日 21時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年6月2日 22時
