73話 ページ30
沖田さんの威圧感ある声に、自分たちに向けられている訳では無いにもかかわらず僕たちは思わず身を固くした。
「あの数をこんなにも一瞬で······」
黒霧もこの事態は全く予測していなかったようだがそれも当然だ。
多分奴らの計画では脳無を使ってオールマイトを殺すことが前提にあったはず。奴らの会話の内容からして「鬼」はあくまで保険で、作戦に完全に組み込まれてすらいなかったはずだ。
それでもこの場に「鬼」を連れてきたのは、いくら本命の作戦が失敗したとしても「鬼」がいれば最低限の目的は達成できると踏んだからではないかと思う。
そう·····本来なら奴らの作戦は成功していたはずなんだ。脳無との戦いで消耗したオールマイトと、まだ未熟な僕たち生徒を殺すことは「鬼」なら可能だったはずなんだ。
もしもこの場に、沖田さんさえ居なければ。
「よくも······よくも全部台無しにしてくれたな！」
死柄木は沖田さんに対する怒りからか恐怖からか、身体をわなわなと震わせている。
だが沖田さんは、目の前のヴィランの怒りなど何処吹く風と言わんばかりの涼しい顔で言った。
「あの数······ねぇ。
自惚れるんじゃないわよチンピラ風情が。私たち鬼殺隊と一戦交えたければせめてあの倍の頭数は揃えることね。
それで勝てるかは別問題だけど」
沖田さんの煽りに対して、死柄木は盛大に舌打ちしながら沖田さんに向けて手を伸ばした。
「殺す····
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す!!」
殺意たっぷりな声と共に沖田さんの方へと歩み出ようとしたその時、一発の銃弾が死柄木の右手を射抜いた。
「来たか!!」
沖田さんの戦いを厳しい表情で静観していたオールマイトが勢いよく銃弾が跳んできた方へと振り返ると──
「ごめんよ皆。遅くなったね。
すぐ動ける者をかき集めて来た」
校長先生を始めとする、雄英が誇るトップヒーロー達の登場に僕はようやく肩の力が抜けていくのを感じた。
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ナツピー(プロフ) - ダイヤさん» ありがとうございます(*^^*) (2021年10月8日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤ - 更新頑張ってください (2021年10月7日 16時) (レス) @page42 id: 1ad51ff6bc (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - セツさん» コメントありがとうございます。いろいろ拙いですけど楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。 (2021年1月12日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張ってください、応援しています！ (2021年1月12日 22時) (レス) id: b28a5b6b48 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 吉吉さん» コメントありがとうございます(^^)そう言っていただけて嬉しいです！ (2020年8月28日 21時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年6月2日 22時
