3話 ページ7
「失礼しました」
ひと通り話が済み理事長室から出た私は、廊下を歩きながら窓から見える藤の花を眺めていた。
多くの犠牲を出しながら、鬼の始祖である鬼舞辻無惨を斃したあの戦いから約200年の年月が経った。
あの戦いに参加し、生き残った隊士達は鬼舞辻消滅後も残っていた鬼を狩りながら、それでもある程度穏やかに生きていた。
そして死後、何の因果かあの戦いの約200年後の現代に再び生を受けた。
前世と同じ両親のもと、同じ名前、同じ容姿で生まれ、転生したことに気づいた時は戸惑いもあった。私たちが生きてた時代には存在しなかった「個性」という能力の存在にも、初めて見た時は結構驚いたものだ。
私は前世で鬼と人間の混血だった影響か、「鬼化」の個性を発現した。ちなみに母の個性も「鬼化」で、これも前世の影響かもしれない。父は「刃物生成」という個性を持つ。ちなみに両親は2人とも前世の記憶とかは無いようだけど
「出会って目が会った瞬間『この人だ』って思った」
という超絶惚気話を2人揃ってしていたあたり、もしかしたら自覚がないだけで覚えているのかもしれない。
あと、前世で両親から話に聞いていた新選組の人達も多分転生している。私が前世で面識があったのは斎藤さんだけだが、名前と両親から聞いた特徴が一致する人が父と同じ会社にいた。
まぁこの世界は前世の私が生まれた世界とは違う平行世界だから、一概に同じ人かどうかはよく分からないけどね。
私が現代に蔓延る鬼たちの存在に気づいたのは、私が5歳の頃。田舎に住む友人の祖母の家でお泊まり会をした時だ。
奇しくもそれは、前世で私が初めて異世界の鬼の存在を知った頃と同じ
星の綺麗な、夏の日だった
「肝試ししない？」
事の始まりは、友人のその一言だった。
当時私と仲が良かった友人の亡き祖母の家は少し山奥にあり、人気も感じないそこはたしかに肝試しにはうってつけのところだった。ルールはただ、その日の昼間に遊んでいた家の近くの森で偶然見つけた祠に行って帰るだけ。その祠の場所は昼間見た限り近かっし、多分付き添いで来ていた友人の親にもバレずに戻れるだろうと思っていた。
その場にいたのは私を含めて4人。私たちははぐれないよう手を繋いで祠に行った。その時先頭を歩いていたのは私だった。もし何かあった時、誰よりも早くに危険を察知できると考えたからだ。
とはいえ私も、まさかその判断がその後起こる事件で大きな意味を持つことになるなど夢にも思わなかった。
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ナツピー(プロフ) - むいみおさん» その予定はありません。すみません。 (2020年6月12日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
むいみお(プロフ) - 名前変換できるようにしないんですか？ (2020年6月12日 6時) (レス) id: e4d7652d9a (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 好きと言っていただけるなんて嬉しすぎます！更新気まぐれですけど楽しんで読んでいただけたら幸いです(^^) (2020年5月23日 16時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - すぅーー(息を吸ってる)好きィィィ！！です。はい。更新頑張ってください！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 7170e0490e (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 菊理さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります(^^) (2020年5月17日 12時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年3月26日 0時
