30話 ページ36
2階まで降りた所で私は足を止めた。そしてこのビルの大まかな見取り図と自分の現在地、そして核の場所を頭に思い浮かべた。
障子は複製碗で既に核の位置も私の居場所も分かってるはず。このビルの中にある階段の数は4つ。その中で私が今駆け下りて来た階段は、核のある場所に最短で行ける階段の真反対。
このビルの構造を障子が複製碗で見たのなら、障子が選択するルートは多分最短ルートだろう。このお膳立てのために、私は普通に階段を上がって戻るのでは間に合わないくらいの場所までわざわざ来たのだから。
「行くか」
私は階段のすぐそばにある窓から身を乗り出した。
私が轟を戦闘不能にしてからの時間と、障子の体力テストの時に見た動きの速さや持久力からして現在地はおそらく───
「あの辺りかな？」
私は狙いを定めた階目掛けて跳躍した。そして窓ガラスを木刀で破壊し、建物の中に再び入った。
障子が複製碗を展開したままなら、私の動きは既に察知されてるだろう。だが、それがどうした？
「見つけた。読み通り」
この階に上がってものの数十秒で、核のある場所に向かって全力で走る障子を視界に捉えた。障子と私では元の速さが違いすぎる。そして私はその背中目掛けて木刀を叩き付けた。
「ぐはッ！」
前のめりに倒れた障子に、私は素早く核をテープを巻いた。
『敵チームWIN!!』
これでゲームセット。私たちの勝ちだ。
「沖田、聞きたいことがあるんだが」
モニタールームに戻る途中、轟に声を掛けられた。
「お前の個性は何だ？」
質問の内容は予想通りだった。まぁ、さっきの戦闘訓練で負傷したはずの私の足がもう治ってるのだから、気になるのも当然だ。
「私の個性は『鬼化』。主な能力は身体能力と回復力の向上。フルで使うと個性把握テストの時みたいに姿が変化する」
「さっきは個性把握テストの時みたいに姿は変わってなかったが、それは個性をフルで使ってなかったからか？」
「ええ、個性フルで使うと体力の消費早いからね。普段はあまり使わないの」
本当はさっきの勝負で個性は再生以外では一切使ってないが、それは言わない方がいいだろう。面倒事は増やしたくないし。
ちなみに、私の個性は使う出力にある程度幅がある。フルで使うと姿も鬼に変化するが、出力を抑えれば鬼化することなく身体強化や傷の再生が可能だ。まぁ、大抵は呼吸で事足りるから滅多に使わないけど。
そして当然、個性の出力を上げれば上げるほど体力の消費も早くなる。
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ナツピー(プロフ) - むいみおさん» その予定はありません。すみません。 (2020年6月12日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
むいみお(プロフ) - 名前変換できるようにしないんですか？ (2020年6月12日 6時) (レス) id: e4d7652d9a (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 好きと言っていただけるなんて嬉しすぎます！更新気まぐれですけど楽しんで読んでいただけたら幸いです(^^) (2020年5月23日 16時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - すぅーー(息を吸ってる)好きィィィ！！です。はい。更新頑張ってください！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 7170e0490e (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 菊理さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります(^^) (2020年5月17日 12時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年3月26日 0時
