26話 ページ32
はっきり言って、初戦はかなり酷いものだった。
情報通り、爆豪はかなり自尊心が高いらしい。だから、突然力を付け始めた緑谷のことを認めたくないのだろう。
それは幼い頃から互いを知ってるからこそ出る感情なのかもしれないが、今の彼がやってる事はただのリンチだ。本当にヒーロー志望が聞いて呆れる。
私は小さくため息をついた。なぜ爆豪のことが気に食わないのか、今分かった気がする。
爆豪は彼に──獪岳に似ているのだ。
才能はあったが、自尊心と承認欲求の塊の傲慢な男。
自分に向けられる信頼や愛情
差し伸べられる手
その全てに背を向け、自分の命惜しさに鬼となった。その挙句、最期はさんざん見下し続けてきた弟弟子の善逸に頸を斬られて死んだ彼に、爆豪は似ている。
獪岳の最期がどんなだったのかは、善逸や愈史郎に聞いた話でしか知らない。でもきっと、最期まで満たされることなく逝ったのだと思う。
そう言えば善逸が言っていたな。獪岳には、いつも幸せの箱に穴が空いていると。
善逸ほど耳が良くない私にはよく分からないが、訓練中の爆豪からは獪岳に似たような危うさを感じた。
訓練は結果だけを見れば緑谷たちの勝利だったが、この結果は爆豪にとっての価値観が揺らぐきっかけとなるだろう。
そしてそれが吉と出るか凶と出るかは分からないけど、とりあえず彼も緑谷と同じく要観察だな。
そして初戦の講評が始まった。緑谷は入学から2度目の保健室送りとなった。
「まあつっても…
今戦のベストは飯田少年だけどな!!!」
オールマイトの言葉に飯田は驚きの声を上げた。
「勝ったお茶子ちゃんや緑谷ちゃんじゃないの？」
蛙吹さんは疑問を口にしたが、私はオールマイトの評価は間違ってないと思う。
「何故だろうな〜〜〜〜？
わかる人!!?」
「ハイ、オールマイト先生」
オールマイトの質問に、真っ先に百ちゃんは手を挙げた。
百ちゃんの答えはなかなか的確だった。爆豪の私怨丸出しの戦い方は言うまでもなく論外。オマケに屋内で大規模攻撃なんて愚策だ。その点は緑谷も同様。そしてお茶子ちゃんは最後で気が緩んで攻撃が乱暴だった。その点飯田はこの授業の状況設定に順応していた。
まぁ私も百ちゃんの意見とほぼ同じだな。
「まぁ…正解だよ。くう…！」
思ってたより言われてしまったのか、オールマイトは笑顔で少し残念な雰囲気を醸し出している。
そして場所を移して第二回戦
次は私たちの番だ。
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ナツピー(プロフ) - むいみおさん» その予定はありません。すみません。 (2020年6月12日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
むいみお(プロフ) - 名前変換できるようにしないんですか？ (2020年6月12日 6時) (レス) id: e4d7652d9a (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 好きと言っていただけるなんて嬉しすぎます！更新気まぐれですけど楽しんで読んでいただけたら幸いです(^^) (2020年5月23日 16時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - すぅーー(息を吸ってる)好きィィィ！！です。はい。更新頑張ってください！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 7170e0490e (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 菊理さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります(^^) (2020年5月17日 12時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年3月26日 0時
