18話 ページ24
「"個性"を消した」
やはり、相澤先生だったか。
相澤先生の個性は「抹消」。今、あの人は緑谷の個性を消した。
「つくづくあの入試は…合理性に欠くよ。お前のようなやつも入学できてしまう」
相澤先生は緑谷に冷たい視線を向ける。
私は小さくため息をついた。この分だと彼、本当に初日で除籍になるかもね。
でも、これも仕方のないことなのかもしれない。個性を使う度に大怪我して自爆するような者が、人を救うヒーローになんてなれるはずがない。
「ボール投げは2回だ。とっとと済ませな｣
最後通告を終えた相澤先生は緑谷のもとを離れた。
一応もう1回するようだが、ここで性懲りもなく玉砕覚悟の全力を出しても相澤先生が評価を改めることはないだろう。それとは逆に、萎縮して最下位におさまるようならそれもそれで論外だ。
だが私は、彼が何かをやることを少しだけ期待していた。
何故かって？
それは実技試験の時に見た彼の姿が、どういう訳か重なって見えたからだ。
私たち鬼殺隊が初めて、心からの信頼と尊敬を寄せることができたヒーロー
オールマイトに
二投目、緑谷の投げたボールは彼方遠くへと飛んでいった。
「ほぉ……」
私は小さく感嘆の声を上げた。注意深く観察して分かった。緑谷は投げる時、指先のみに力を集中させていた。
記録は705.3m
緑谷の指は見たところボロボロだ。でも──
「先生……！
まだ……動けます」
彼の目は全く死んでいない。
「この短時間で、一段階成長したか」
多分、私は今とても楽しげな顔をしているだろう。
この任務も最初は乗り気じゃなかったけど、これは退屈せずに済みそうだ。まず間違いなく、これで緑谷は除籍を免れる。
その時、爆豪が怒りの形相で緑谷に向かって飛び出した。
「どーいうことだこら、ワケを言えデクてめぇ!!」
個性を出しながら緑谷に殴りかかろうとする爆豪だったが、相澤先生の包帯が爆豪を捕縛した。そういえば、イレイザーヘッドが使う武器は炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んた「捕縛武器」だったな。
「何度も"個性"を使わせるなよ…。俺はドライアイなんだ」
ひとまず事なきを得たから、私は密かに戦闘態勢を解いた。相澤先生が爆豪を捕縛しなければ、得物は無いとはいえ結構本気の一撃をお見舞していただろう。
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ナツピー(プロフ) - むいみおさん» その予定はありません。すみません。 (2020年6月12日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
むいみお(プロフ) - 名前変換できるようにしないんですか？ (2020年6月12日 6時) (レス) id: e4d7652d9a (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 好きと言っていただけるなんて嬉しすぎます！更新気まぐれですけど楽しんで読んでいただけたら幸いです(^^) (2020年5月23日 16時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - すぅーー(息を吸ってる)好きィィィ！！です。はい。更新頑張ってください！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 7170e0490e (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 菊理さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります(^^) (2020年5月17日 12時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年3月26日 0時
