9話 ページ15
人のいない道場の真ん中には、前世で初めて会った時よりずっと幼い姿のあの人が──義勇さんがいた。
「連れてきたよ、義勇」
「悪いな真菰」
「じゃ、ごゆっくり」
真菰はそれだけ言って道場から出て行った。真菰がいなくなると、道場の入口に立ちすくんだ私に義勇さんが近づいてくる。
ずっと会いたかった人がすぐ近くにいるのに、私はただ目を丸くすることしか出来ない。
目の前にいる……
前世で、先が長くないことを解っていても一緒にいたかった。
この人の最期を看取り、やがて自分の死に、そしてまた生まれた。
前世よりもずっと優しいこの世界で幸せに生きていて、それでも頭の片隅にはいつもこの人の存在があった。
会いたかった……
ずっと
生まれ変わっても会いたかった
「……幸千」
声もやはり少し幼い。雰囲気も、前世と比べると柔らかい気がする。
「義勇さ──」
言い終わる前に、私の体を義勇さんが抱き寄せた。
言葉は無かった。でも、お互いがここにいて、そしてまた巡り会えた。
私にはそれで十分だった。
「義勇さん!!」
私は今世で生まれて初めて、声を上げて泣いた。
義勇さんは突然泣き出した私にかなりオロオロしていたけど、ずっとそばにいてくれた。泣き止んだ時は鏡で見なくても自分で分かるくらいに目が真っ赤になっていて、義勇さんに連れられて校舎に戻った時は少し騒ぎになった。
というのも、泣き腫らした私を見たしのぶが開口一番に義勇さんを殴ってしまったのだ。一応真菰や、義勇さんの前世からの親友らしい錆兎さんの取り無しのおかげでその場は収まったけど、今度は父さんがとても怖い笑顔で義勇さんに話を聞こうとするものだから本当に大変だった。
まぁそんなドタバタはあったが、私は再び会えた仲間たちと再会出来た嬉しさを噛み締めていた。
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ナツピー(プロフ) - むいみおさん» その予定はありません。すみません。 (2020年6月12日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
むいみお(プロフ) - 名前変換できるようにしないんですか？ (2020年6月12日 6時) (レス) id: e4d7652d9a (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 好きと言っていただけるなんて嬉しすぎます！更新気まぐれですけど楽しんで読んでいただけたら幸いです(^^) (2020年5月23日 16時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - すぅーー(息を吸ってる)好きィィィ！！です。はい。更新頑張ってください！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 7170e0490e (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 菊理さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります(^^) (2020年5月17日 12時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年3月26日 0時
