8話 ページ14
藤野花学園の入学式は、学園名物の藤の花に囲まれた講堂で行われた。
初等部、中等部、高等部、大学部と、新規でこと学園に入学する者たちが一堂に会した。そして私はそこで、前世からの古い友人たちと再会した。
「しのぶ？」
「もしかして、幸千？」
最初に会ったのは、前世の最終選別からの友人の胡蝶しのぶだった。しのぶも物心ついた時から前世の記憶があったらしく、同じく前世の記憶があった姉のカナエさんと一緒にこの学校への入学を決めたらしい。
「じゃあ、カナエさんも初等部に？」
「うん。カナヲもあと数年でここに入学するけどね」
今世では胡蝶姉妹とカナヲは従姉妹同士らしい。カナヲは今世でも、世間で言う毒親の元に生まれて死にかけてたところを胡蝶家に保護されたらしい。
けどしのぶとカナエさんの両親は前世の記憶は無いらしいから、鬼のことは一切話してないらしい。
そしてもう一人に再会したのは、入学式の日程をある程度終えた後だった。
「幸千？」
「っ!?
真菰？」
前世の最終選別で、私の目の前で死んだ友人の真菰とまさかまた再会できるなんて思ってもみなかった。真菰は今世では孤児らしく、私たちと同じく前世の記憶持ちだった鱗滝さんに拾われたらしい。前世で真菰と関わった期間はさほど長くはなかったが、今世では前世の分まで長い付き合いができるだろう。
そして一つ、私には気になることがあった。真菰はあの人の妹弟子だ。
もしかしたら、あの人も──
「義勇もここにいるよ」
私の心を読んだように真菰は言った。その言葉に私は目を見開いた。
「夫婦だったんでしょう？義勇と」
「うん、娘もいたの。義勇さんが死んでから、あの子も結婚して孫も生まれたわ」
それを聞いた真菰は嬉しそうに笑った。
「義勇から娘がいた事は聞いてたけど、孫も生まれたんだね！」
「あの人、覚えてるの？」
私が聞くと、真菰は間髪入れずに「もちろん！」と言ってうなづいた。
真菰の言葉に、私は胸が熱くなるのを感じた。
会える……
会えるんだ……あの人に……
真菰は私の手を引き、学校の敷地内にある鱗滝さんの道場に私を連れて行った。校舎から少し離れた場所にあるそこに、人の気配はあまりない。
真菰曰く、今日は入学式で外部の人間も結構来るから、間違ってもそういった人達にこの学校の裏の顔がバレないよう今日は校舎からもっと離れた場所でみんな訓練してるらしい。
真菰は道場の引き戸を躊躇い無く開けた。
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ナツピー(プロフ) - むいみおさん» その予定はありません。すみません。 (2020年6月12日 7時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
むいみお(プロフ) - 名前変換できるようにしないんですか？ (2020年6月12日 6時) (レス) id: e4d7652d9a (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 好きと言っていただけるなんて嬉しすぎます！更新気まぐれですけど楽しんで読んでいただけたら幸いです(^^) (2020年5月23日 16時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - すぅーー(息を吸ってる)好きィィィ！！です。はい。更新頑張ってください！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 7170e0490e (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - 菊理さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります(^^) (2020年5月17日 12時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2020年3月26日 0時
