半純血のネメシス (ページ10)

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8話ページ10

「あなた一体何したのよ？」

双子が私の周りにまとわりつくようになってから、確実に私の周囲は騒がしくなった。同室の友人──アビゲイル・リィザから呆れるような視線をいただくようになった。

アビーは純血の魔女だが魔法界ではあまりなの知れた家ではなく、スリザリンでは目立たない存在だ。
入学当初はほとんど話すこともなかったのだが、私たちは人数の関係で2人部屋だった事と、同じ寮で話す相手があまりいないもの同士必然的に一緒にいることが多くなり、いつの間にか仲良くなっていた。

「アビー、私は間違ってしまったのかしら？」

「何かあったのは事実なのね？」

眉を寄せて聞いてくるアビーに、私は苦笑いで答える。

双子の行動は良くも悪くも目立つ。私はグリフィンドールにもそれなりに仲のいい友人はいるが、あの2人とは自分から関わるつもりは無かった。この間のは半分以上不可抗力だ。

ちなみに私はあの二人のことは嫌いではない。むしろ楽しいイタズラをしている姿に一種の羨望を抱いている。だからだろうか？はっきりと突き放した態度をとれないのは。

黙っている私に対し、アビーはため息混じりに言った。

「別に私はあなたの交友関係に口出しするつもりは無いけど、態度をはっきりさせないとさらに騒がしくなるわよ？」

確かにその通りだ。正直、あの二人と関わってこちらの計画に支障が生じないかというのが一番心配だけど、突き放した態度とってもどっちにしろ関わることになるなら適度に仲良くする方が得策か。

そして私はこの日以降、あの騒がしい双子と積極的に絡むまではしなくともそこそこ仲良くなっていった。

スリザリン側の非難がましい視線？
そんなの気にするわけないじゃない。文句を言いたいなら私より上の成績を取ってからにしてほしいわ。

「あなたのそういうところは本当にスリザリンらしいと思うわ」

その年の学年末試験で、またもや私に負けて悔しそうにしている同じ寮の同級生たちを横目に薄ら笑いをうかべる私に対して、アビーも似たような表情で私にそう言ってきた。