17話 ページ20
「蕭月だと!?」
昌文君が驚きの声を上げる。
壁は八咫烏の主が月だというのが余程意外だったのか、目を見開いたまま固まっている。
「馬鹿な！あの娘はまだ十二の娘だ。しかも少し前から後宮に入っているではないか!!」
あ、月が後宮にいること知ってたんだ。
まぁ驚くのも無理はないな
蕭焔様の方針で、月は基本能力隠してたし
「なぁ、蕭月って誰だ？」
信は自分の横にいる壁に聞く。
壁は我に返ったように答えた。
「蕭月殿は、蕭家先代当主 蕭焔殿の一人娘だ。
蕭焔殿が亡くなった後、当主となった伯父の蕭��殿の養女となり、今年後宮入りしたと聞いていたが……」
まぁ、蕭焔様さえ生きていたら多分月が後宮に入ることは無かっただろうけどね
「本来なら、蕭焔様の一人娘の月が婿をとってその男に蕭家を継がせ、月は八咫烏の主として裏で手網を握る予定でした。
でも蕭焔様が亡くなられて、蕭��が蕭家の当主になったせいで事情が変わったんです」
「蕭��が蕭月を嫌っていたからか？」
そう言う昌文君の顔には眉間に深い皺が寄ってる。
「まぁ、そういうこと。
ちなみに蕭家は今、私の父を初めとする古参の臣下達が仕切っている。もちろん月の命令でね」
.
「この家は居心地悪い」
後宮入りが決まった時、月はそう言ってた。
実際その通りだったと思う。
能力も無く、実の弟に対する嫉妬と劣等感以外何も持ち合わせていない当主、ありもしない虚空の権力に溺れるその妻子達。
月が蕭家に見切りをつけるのも当然のことだった。
「蕭家に長く仕えてくれたお前達には、本当に申し訳なく思ってる」
後宮入りする前日、月は私たちを集めて頭を下げた。
「それは違いますぞ、月様」
私たちの気持ちを代弁したのは父だった。
「我々は、蕭家に仕えてきたのではない。
かつて、我々を救い上げてくださった蕭家の御当主の遺志を繋いでくださる方に仕えてきたのです。
たとえ蕭家から離れることになったとしても、我らが仕えるのはその遺志を継ぐ貴方様です」
先代を初めとする、八咫烏の主が代々受け継いできた想い
それを次の未来へと紡ぐことが出来る者にこそ、私達は忠誠を誓う。
私達の主である月が蕭家に見切りをつけたと言うならば、私達がそれに従うことになんの躊躇いがあるだろう。
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ナツピー(プロフ) - 麗桜さん» コメントありがとうございます。早めに続きかけるよう頑張ります(^^) (2019年9月9日 10時) (
レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - 最高に面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月9日 10時) (レス) id: 529aeaeb6e (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - ふぃどるさん» コメントありがとうございます！なるべく早く更新したいと思います。 (2019年6月11日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃどる - 面白いです！ 続きを期待してます！ (2019年6月11日 23時) (レス) id: 51833c3598 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - Mizさん» 初コメありがとうございます！内容固まり次第更新するのでお楽しみに(^^) (2019年6月2日 12時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2019年5月20日 15時
