29話 ページ31
予想はしていたが、『飛行訓練』で合同授業となったグリフィンドールとスリザリンの生徒たちは、あからさまに敵意むき出しで睨み合っている。私はこの組み合わせを決めた先生方を心の中で呪った。
空は快晴、雲ひとつない。まさに絶好の飛行日和だ。
「いよいよ飛行術の授業が始まりますよ。準備はいいですか？
では、箒の横に立って｣
『飛行訓練』の教授ビアントは、結構高齢らしいがキリッとした落ち着いた雰囲気の黒髪の女性だ。ビアントに言われた通り、生徒たちは芝生に並べられた箒の前に立った。
｢さあ、右手を箒の上に突き出して｣
おそらく、肩に力が入ってきているのは私だけではないだろう。
いや、落ち着け
せっかくの『飛行訓練』だ。楽しまなきゃ損だぞぉ〜私。
ということで、私は軽く深呼吸をした。
うん。まあ落ち着いた。
｢わたしが合図をしたら、『上がれ！』と言ってください！
いいですか？いきますよ！
『上がれ！』｣
ビアントの掛け声とともに、全員が一斉に｢上がれ！｣と叫んだ。
箒の反応は人によって様々だった。一発で箒が上がったのは、ジェームズとシリウスと私、そしてスリザリンの数人だけだった。
どうやらジェームズとシリウスに聞いていたアドバイスは正解だったらしい。
私は隣でまだ「上がれ！」と繰り返しているメリーに声をかけた。
「メリー落ち着いて。上がるのをイメージしながらやってみるといいわ」
「サクラ・・・。うん、やってみる」
メリーは深呼吸をした後、再度「上がれ！」と叫んだ。箒はメリーの手に収まった。
「やった！できた！サクラありがとう！」
「いいってことよ」
周りを見回してみると、半分以上の生徒がまだ箒を手にしていなかった。
それから数分後。次にビアントは箒のまたがり方、握り方を教えた。
「笛を吹いたら、地面を強く蹴るのですよ。2メートルほど飛んだらすぐに前かがみになって、ゆっくり降りてきてください。
さあ、いきますよ｣
ピッ！と鋭い笛の音が響いた。
私は少しぐらつきながら浮き上がった。地面に足が着いていないこの状態は、ひどく不安定で不思議な感覚だった。
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ナツピー(プロフ) - 受験生さん» コメントありがとうございます。時間かかるかもしれませんが必ず続きは書くのでお楽しみに！ (2022年1月6日 7時) (
レス) id: 56c6e69f8d (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 初コメ失礼します！続きがすごく気になります！！更新頑張ってください！！ (2022年1月5日 23時) (レス) id: 5fbad7a3d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - cherryさん» こちらこそ誤解させる表現をしてしまいすみません。続きはもう少し内容が固まったら投稿しますのでお楽しみに(^ ^) (2018年12月21日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - あ、重要な所突っ込んじゃってごめんなさい！そうだったんですね！続き楽しみにしてます♪ (2018年12月21日 23時) (レス) id: 84049ed362 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - cherryさん» コメントありがとうございます。マグル製品がまともに機能しないという設定は私も知っていますが、この物語の主人公のサクラはまだ入学してそんなたってないのでそのことは知らないという設定です。まあネタバレすると録音作戦は失敗に終わります。 (2018年12月20日 22時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2018年9月9日 21時
