2話 ページ4
11時
列車が発車した。
コンパートメントには、赤い髪の女の子の他に男の子が2人座っている。
2人は初対面だったらしいがすぐに意気投合したのか、静かだったコンパートメントは数分前とは比べ物にならないくらい騒がしくなった。
私は基本騒がしいのは嫌いだけど、別にこの2人の会話に水を差すつもりはない。入学前で興奮する気持ちは分かるし、読書の邪魔してくるわけでもないしね。
列車が発車して数分後、ローブに身を包んだ黒髪の男の子がコンパートメントに入ってきた。
男の子は私の左隣──赤い髪の女の子の前に座った。真っ先に女の子の方へ行ったところを見るに、多分この2人は知り合いなんだろう。
私は読書を中断し、窓際に座る2人に視線を向けた。
よくよく見ると、なんとなくちぐはぐな組み合わせだ。
女の子はたっぷりとした深みのある赤い髪に、アーモンドのような形の緑色の瞳が印象的な可愛らしい顔立ちをしている。
反対に男の子は、暗い雰囲気だった。黒い瞳に、ねっとりとした髪を肩まで伸ばして真ん中で分けている。大きな鉤鼻が印象的だ。
多分彼はあまり裕福な生まれではないのだろうと容易に想像がついた。
赤い髪の女の子はちらりとねっとり頭の男の子を見たが、また窓に視線を戻した。
予想はしていたが、やっぱり女の子は泣いていた。
なんだか見てはいけないものを見てしまった気がして、私は2人から視線を外し、また読書を再開した。
「あなたとは、話したくないわ」
女の子は声を詰まらせた。私は無意識に2人の会話に聞き耳を立てていた。
「どうして？」
「チュニーが私を、に──憎んでいるの。ダンブルドアからの手紙を、私たちが見たから」
チュニーというのはこの女の子の姉妹だろうか？
まぁどんな関係であれ、自分宛の手紙を勝手に見られたら誰でも怒るだろう
「それが、どうしたっていうんだ？」
どうやら彼にとってチュニーという人物は取るに足らない存在らしい。
女の子はキッと男の子を睨みつけた。
「だって私たち、姉妹なのよ！」
声を荒げる女の子に、男の子は少したじろぐ。
「あいつはただの──」
男の子はなにか言いかけたが、すぐに抑えるように口を閉じた。涙をぬぐうのに気を取られていた女の子は、男の子の言葉を聞いてなかった。
何を言おうとしたのかは知らないが、決して聞いてて気持ちのいいことではないだろう。
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ナツピー(プロフ) - 受験生さん» コメントありがとうございます。時間かかるかもしれませんが必ず続きは書くのでお楽しみに！ (2022年1月6日 7時) (
レス) id: 56c6e69f8d (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 初コメ失礼します！続きがすごく気になります！！更新頑張ってください！！ (2022年1月5日 23時) (レス) id: 5fbad7a3d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - cherryさん» こちらこそ誤解させる表現をしてしまいすみません。続きはもう少し内容が固まったら投稿しますのでお楽しみに(^ ^) (2018年12月21日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - あ、重要な所突っ込んじゃってごめんなさい！そうだったんですね！続き楽しみにしてます♪ (2018年12月21日 23時) (レス) id: 84049ed362 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - cherryさん» コメントありがとうございます。マグル製品がまともに機能しないという設定は私も知っていますが、この物語の主人公のサクラはまだ入学してそんなたってないのでそのことは知らないという設定です。まあネタバレすると録音作戦は失敗に終わります。 (2018年12月20日 22時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2018年9月9日 21時
